【蓮の薬効】
<「e薬草ドットコム」より、転載>
●生薬名
蓮実(れんじつ)/蓮肉(れんにく)/蓮子(れんし)/蓮心(れんしん)/蓮衣(れんい)/荷葉(かよう)/荷葉蔕(かようてい)/荷梗(かこう)/蓮房(れんぼう)/蓮鬚(れんしゅ)/藕(ぐう)/藕節(ぐうせつ)/藕粉(ぐうふん)
●採集と調整
秋に花托(かたく)に含まれる果実を取り出して皮を取り除き、種子だけを蒸してから陰干しします。
葉茎などは、水洗いして天日で乾燥してから断裁して保存。
果実の皮付きを蓮実(れんじつ)、
皮を捨て去って種子を乾燥させたものを蓮肉(れんにく)、蓮子(れんし)、
幼芽を蓮心(れんしん)、
種皮を蓮衣(れんい)、
葉を荷葉(かよう)、
葉の基部を荷葉蔕(かようてい)、
葉柄(ようへい)および花柄(かへい)を荷梗(かこう)、
花のつぼみを蓮房(れんぼう)、
オシベを蓮鬚(れんしゅ)、
根茎を藕(ぐう)、
根茎の節を藕節(ぐうせつ)、
でんぷんを藕粉(ぐうふん)
といってすべて薬用に用います。
●薬効・用い方
蓮実(れんじつ)・蓮肉(れんにく)は強壮、止瀉(ししゃ)、鎮静、健胃、多夢、遺精、下痢、腰気にその粉末を1日量6〜10グラムを3回に分けて食間に服用。
蓮衣(れんい)は強壮、
荷梗(かこう)は解熱、
荷葉(かよう)は下痢止め・鼻血・血便の止血、
蓮花(れんか)は止血、
蓮鬚(れんしゅ)は強壮に用いられます。
中国では果実、種子に鼻咽がんを抑制するとして利用されています。
また、きのこ中毒の解毒に用いられます。
煎じ方は、蓮肉(れんにく)1日5〜8グラムを0.3リットル水で、半量に煎じて3回に分けて食間に服用。うるしかぶれには、葉を煎じて患部を洗浄。
ハスの種子は1日量15〜20粒を炒って3回に分けて食べる。または、お粥にして食べる。
若葉は、よく洗いお粥に炊き込んで葉粥として食べる。蓮根(はすね)はミキサーでジュースにして飲用する。煮て調理して食用にする。
●その他
地質時代には日本にもハスの野生がありましたが、現在あるものは古い時代にインドから中国に入り、渡来したものと考えられます。
万葉の頃にはハチスと呼んでいました、花が終わって果実になるころ、大きな花托(かたく)の平らな面に蜂の巣に似た穴があることから、ハチスといわれましたが、のちにハチスのスが省略されてハスになりました。
古代インドから、お釈迦様がハスの葉の上に座っているのは、古くから薬効がありヒンズー教でもハスは「聖なる植物」とされていた証明です。
ハスには、ナシフェリン、ロイメリン、ネムラボライドが含まれていて、血管を広げる働きがあり、悪玉のLDLコレステロール、βリボたんぱく、トリグリセリドと呼ばれる脂肪分を排出、血液中の血糖値を下げるとされています。
<転載、以上>