オオボウシバナの花弁は、京友禅の下絵を描く染料になる青花紙(あおばながみ)の原料として用いられ、滋賀県草津市を中心にした湖南地方で江戸時代中期から栽培されました。

<Wikipediaより、転載>

アオバナの青色色素はアントシアニン系化合物であり、水溶性で色落ちしやすいという特徴があるため、下絵を描くときの顔料として染織工芸の分野、特に京友禅で用いられた。

アオバナの色素で描いた下絵の色は最終的には完全に抜け落ちてしまい、仕上がった染め物に残らないことを利用したものである。

栽培したアオバナの花弁のみを摘み取って絞りとり、得られた青い汁を美濃紙に刷毛で塗っては天日で乾かす。この作業をもとの紙の4倍の重さになるまで繰り返してできた、青いというよりもむしろ黒い紙が、青花紙として出荷され、これを水に溶かした薄い青色の顔料が下絵付けに用いられた。

アオバナは花弁が大きく、開花期には毎日新しい花を咲かせるため収量が多く、商品作物としての栽培に適する。しかし早朝に開花した花はその日の昼頃には萎んでしまう上、搾り取った汁はその日のうちに使わなければ変質してしまうため、青花摘みと青花紙作りは酷暑の中、休憩の取れない作業が連日続く、過酷な作業であった。

このため生産地では別名、地獄草、地獄花とも呼ばれた。後に化学合成した色素(化学青花)が代わりに用いられるようになり、アオバナの需要は減り、栽培量も減少した。

<転載、以上>

青花紙は、藍紙(あいがみ)とも呼ばれたようです。

<コトバンクより、転載>

あおばながみ【青花紙】

藍紙(あいがみ)ともいう。ツユクサ(オオボウシバナ)の花の絞り汁を典具帖(てんぐじよう)(良質のコウゾ繊維を原料として薄くすいた和紙)にしみ込ませたもの。この紙から浸出した青色液で布地に描いた模様は、水で容易に除去されて跡を残さないため、古くから友禅染の下絵を描くのに使用されている。
【柳橋 真】

<転載、以上>

現在、市の花としている草津市の公式サイトには、市の特産品として、「草津あおばな」というコーナーが設置され、様々な情報が提供されています。こちらから、ご覧ください。

また、滋賀県の「生涯学習情報提供システム」にある草津市の駒井敏男氏(当時67歳)から1998年11月10日に取材した青花の昔話や栽培など内容がこちらから、ご覧いただけます。