『万葉集』18ー4159に、大伴家持の

渋谿埼を過ぎて、巌の上の樹を見る歌一首天平勝宝2年3月9日
場所は、富山県氷見市

という歌があり、その割注には、「樹の名はつまま(都万麻)なり」とあります。

磯の上のつままを見れば根を延(は)へて年深からし神さびにけり
原文: 礒上之 都萬麻乎見者 根乎延而 年深有之 神左備尓家里

この「つまま」が、ダブノキだろうと推定されています。

この歌が詠まれたのが、氷見市でした。このタブノキについての情報が富山県にあります。

<富山県氷見市の観光サイトより、転載>

県内最大のタブノキ 県指定天然記念物
クスノキ科の常緑高木で標準和名タブノキを、一般にはイヌクスと呼んでいます。
大伴家持が万葉集の中で「磯の上の都万麻を見れば根を延へて年深からし神さびにけり」(巻19・4159)と詠んだ都万麻(つまま)は、この木と考えられています。
氷見市の長坂に生育する大イヌクスは樹高12m、幹回り6.91m、推定樹齢が500年という県内最大の巨樹。
言い伝えでは、この大イヌクスは、諏訪の大神として祭られ、産土神として土地の人々の崇敬を集めていました。
県内最大のタブノキ
また天保から嘉永(1830〜1853)にかけて、長坂で上山用水を開き新田開発を成功させた肝煎(きもいり)の源内が神木として厚く信仰していたそうです。




<転載、以上>

◆渋谿(しぶたに)の崎について◆

富山県氷見市渋谷、いま雨晴(あまはらし)海岸と呼ばれるあたりを言った。越中国府の北西にあたる。現在も奇岩の見られる景勝の地であるが、その昔「崎」と呼ばれた如き、海に突き出た形状は失われている。海越しに立山連峰が遠望される。

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