<Wikipediaより、転載>
キハダ(黄檗、黄膚、黄柏。学名 Phellodendron amurense)はミカン科キハダ属の落葉高木。アジア東北部の山地に自生しており、日本全土でもみることができる。
特徴
樹高は10m〜20m程度。葉は、対生葉序(たいせいようじょ)で奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)である。5月末〜7月初旬にかけて、円錐花序の小さい黄色い花が見られる。樹皮はコルク質で、外樹皮は灰色、内樹皮は鮮黄色である。この樹皮からコルク質を取り除いて乾燥させたものは、生薬の黄檗(おうばく、黄柏)として知られ、薬用のほか染料の材料としても用いられる。
カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハの幼虫が好む食草である。蜜源植物としても利用される。
生薬
樹皮の薬用名は黄檗(オウバク)であり、樹皮をコルク質から剥ぎ取り、コルク質・外樹皮を取り除いて乾燥させると生薬の黄柏となる。黄柏にはベルベリンを始めとする薬用成分が含まれ、強い抗菌作用を持つといわれる。チフス、コレラ、赤痢などの病原菌に対して効能がある。主に健胃整腸剤として用いられ、陀羅尼助、百草などの薬に配合されている。また強い苦味のため、眠気覚ましとしても用いられたといわれているほか、中皮を粉末にし酢と練って打撲や腰痛等の患部に貼る[1] 、また黄連解毒湯、加味解毒湯などの漢方方剤に含まれる。日本薬局方においては、本種と同属植物を黄柏の基原植物としている。
アイヌは、熟した果実を香辛料として用いている。
サプリメント
海外では、en:Magnolia officinalis の抽出物とキハダからの抽出物を合わせたサプリメント製品(リローラ、Relora®)が販売され、コルチゾールを低下させるとの報告がある。
染料
キハダは、黄蘗色(きはだいろ)ともよばれる鮮やかな黄色の染料で、黄色に染め上げる以外に赤や緑色の下染めにも利用される。なかでも、紅花を用いた染物の下染めに用いられるのが代表的で、紅花特有の鮮紅色を一層引き立てるのに役立っている。なお、キハダは珍しい塩基性の染料で、酸性でないとうまく染め上がらない。このため、キハダで下染めをした後は洗浄を十分にする必要がある。
木材
キハダの心材も黄色がかっており、木目がはっきりしているため、家具材などに使用される。ただし軽量で、軟らかいため、あまりにも強い荷重がかかる場所には向いていない。一部で桑の代用材として使用される場合がある。その場合には、桑と区別するために「女桑」と表記される。
<転載、以上>