<Wikipediaより、転載>
マツ科(マツか、学名:Pinaceae)は、裸子植物門(球果植物門)の科である。
北半球の温帯地方を中心に、11属230〜250種があり、針葉樹の半分以上の種が含まれる。カラマツ属とイヌカラマツ属が落葉樹である他は常緑樹で、ほとんどが大高木であり、樹高100m近くに達するものもある。温帯から冷帯へかけての森林を構成する重要な樹種が多い。暖帯に産するものもあり、そこでは特に海岸や岩場に出るものが多い。
葉は針状、花は雌雄が別に、それぞれ鱗片様の胞子葉が主軸に密に螺旋状に配置したもので、雌花はいわゆる松毬になる。
風格のある大木になる種も多く、名勝地を演出する樹種にもなっている。森林資源(木材)として重要であり、庭木・公園樹・寺社の植栽樹・盆栽などにも利用されている。
葉の更新が毎年でないため、大気汚染に弱く、天然記念物などの古木が枯れるケースが増えている。他方、マツの場合、気孔に煤煙が残りやすいことから、環境調査の対象に利用される例もある。
形態
葉は針葉。種類によっては枝から直接生えるのではなく、さらに短い枝が分岐したその先に生えるものがあり、我々が枝のように見えるものを長枝、葉が生える短い枝を短枝と呼んで区別するものがある。
生態
常緑樹が大半であるが、カラマツ属など落葉樹のグループもある。
<分類>
4亜科に分かれる分類方法で記述する。研究者によって多少相違がある。
マツ亜科 Subfamily Pinoideae
以下の1属を含む単型。
マツ属 (学名Pinus)
マツ科の中では最も広い分布範囲を持ち、繁栄しているグループで、北極圏から赤道直下までの北半球全域、旧大陸と新大陸のいずれにも合計40種程度が分布。特に新大陸のアメリカ合衆国東南部と西武山岳地帯の2地域では今も旺盛な進化が続いているとみられているおり種類が多い。いずれも常緑樹。高木が多いが灌木状になる高山種など各地の状況に適応した形態を見せる。枝は長枝と短枝があり、葉は短枝から延びるが、長枝にも鱗片葉と呼ばれる葉の一種で覆われる。球果は受粉後2年、ごく一部に3年で成長し、鱗片は肥大する。
トウヒ亜科 Subfaimily Piceoideae
以下の1属を含む。
トウヒ属 (学名:Picea)- エゾマツ、トウヒ、ハリモミ、ヤツガタケトウヒ、ドイツトウヒ
カラマツ亜科 Subfamily Laricoideae
以下の3属を含む。
カラマツ属 (学名:Larix)
旧大陸、新大陸の北部や山岳地帯を中心とした冷涼な地域に10種程度が分布する。針葉樹では珍しく落葉しいずれも高木。一般には陽樹とされる。 長枝と短枝が発達し、葉はどちらからも生える。鱗片葉は見られない。球果の鱗片は肥大しない。
カタヤ属 (学名Cathaya)
中国に一属一種Cathaya argyrophyllaのみが生息する単型.
トガサワラ属(学名:Pseudotsuga) - トガサワラ、ベイマツ(オレゴンパイン)
モミ亜科 Subfamily Abietoideae
以下の6属を含む。
モミ属 (学名:Abies)
北半球の北部や山岳地帯を中心とした冷涼な地域に約40種が分布する。いずれも常緑の高木である。葉は長枝から直接生え、雄花は枝に群生する。球果は枝から直立し樹上で分解しながら種子を散布する。一般には陰樹であり、極相で出現するグループと考えられている。
ヒマラヤスギ属(学名:Cedrus)
いずれもユーラシア地域に分布し、地中海沿岸を中心に3種、1種だけヒマラヤ周辺に隔離分布する小グループ。いずれも常緑の高木であり、全体的にモミ属に似ているが、マツ属と同じく枝は長枝と短枝を持ち、葉は短枝から生える。球果はモミ属と同じく枝から直立し樹上で分解しながら種子を散布する。
ユサン属 (学名:Keteleeria) - テッケンユサン(ユサン、アブラスギ)
ノトツガ属 (学名:Nothotsuga)
中国に一属一種 Nothotsuga longibracteataのみが生息する単型。
イヌカラマツ属 (学名:Pseudolarix)-イヌカラマツ
ツガ属(学名:Tsuga)- ツガ、コメツガ
<転載、以上>