<Wikipediaより、転載>

シラカシ(白樫・白橿、学名:Quercus myrsinifolia)は、ブナ科コナラ属の常緑高木、いわゆるカシ類の一種である。和名の由来は、材が白色であることから名付けられている。別名、カシ、ホソバカシともよばれ、樹皮の黒さからクロカシの名もある。

【分布・生育地】
日本の福島県・新潟県以西の本州・四国・九州、朝鮮半島南部(済州島)、中国に分布する。山地に自生するが、主に関東地方の照葉樹林帯に多い。照葉樹林の構成種ではあるが、この森林帯の北限付近で多く見られる。本州南岸以南では数が少ない。

【特徴】
常緑広葉樹の高木で、樹高は20メートル (m) ほどに生長する。樹皮は緑色を帯びた黒色や暗灰色、表面は割れ目がなくなめらかであるが、皮目は縦に並び、次第に荒れてざらつくようになる。若枝は暗緑色。
葉は互生し、4 - 13センチメートル (cm) の長楕円形から狭長楕円形で、葉身は革質で厚い。上半部の縁には鋸歯があり、表面は濃い緑色でつやがあり、裏面は白っぽい薄い緑。ウラジロガシのように白いわけではない。芽吹きはじめの葉は赤味を帯びている。
花期は4 - 5月。雌雄同株。雄花は6 - 9 cmの尾状花序で黄褐色、雌花は数花を上向きにつける。果実は堅果(いわゆるどんぐり)で、下部は殻斗に包まれ、その年の10月 - 11月頃に熟す。
冬芽は長卵形で細い毛があり、葉の付け根につき、頂芽は頂側芽を伴ってつく。芽鱗は多数あり、芽鱗の先端は暗褐色に色づいている。葉痕は半円形や楕円形で、維管束痕は3 - 5個つくか不明瞭である。また杔葉痕がある。

【画像】
シラカシは常緑樹だが, 一部の葉を春に落葉する。2016/04/20筑波大学構内



シラカシは晩春に新葉を出す。2016/05/28つくば市



シラカシの実(まだ小さい頃)。2016/08/18つくば市



シラカシの実。2016/09/04つくば市

【利用】
1年を通して緑が楽しめ、防風林、生垣、公園樹、街路樹、庭木などの植栽によく使われる。常緑広葉樹の中でも高さに比べて幹は細く、狭い空間で使用した場合圧迫感を与えない。 材は固くて重く、弾力に富む性質がある。器具、薪にするほか、木刀の材料になる。 葉は、ウラジロガシと同様の結石溶解作用があるとして、民間薬として服用される。

【天然記念物】
都道府県指定
広島県:井永のシラカシ - 広島県府中市上下町井 永井永八幡神社境内
兵庫県:男坂神社のシラカシ林 - 兵庫県養父市大屋町宮垣 男坂神社境内
兵庫県:上森神社のシラカシ大木 - 兵庫県養父市大屋町蔵垣 麓の神社境内(2011年1月倒木)
鳥取県:熊野神社の社叢 - 鳥取県西伯郡南部町 金華山 熊野神社境内
広島県:熊野神社のシラカシ - 広島県三次市畠敷町628 熊野神社境内
神奈川県:東高根のシラカシ林 - 神奈川県川崎市宮前区神木本町2 東高根森林公園内
広島県:仁賀のシラカシ群 - 広島県三次市三良坂町仁賀
愛媛県:三嶋神社のシラカシ - 愛媛県大洲市河辺町三嶋2460 三嶋神社境内
長野県:南羽場のシラカシ - 長野県上伊那郡飯島町本郷279
神奈川県:大和のシラカシ林 - 神奈川県大和市上草柳1728 泉の森内
栃木県:龍興寺のシラカシ - 栃木県下野市薬師寺1416 龍興寺境内
広島県:領家八幡神社の社叢 - 広島県庄原市総領町下領家 領家八幡神社境内
市町村指定
つるぎ町:天日神社のシラカシ - 徳島県美馬郡つるぎ町一宇字久藪 天日神社境内
大鹿村:鹿塩西の樫の木 - 長野県下伊那郡大鹿村鹿塩西
山梨市:上神内川のシラカシ - 山梨県山梨市上神内川
たつの市:河内神社のシラカシ林 - 兵庫県たつの市新宮町宮内16 河内神社境内
座間市:栗原神社のシラカシ - 神奈川県座間市栗原中央4-4-10 栗原神社境内
庄原市:慶雲寺のシラカシ林 - 広島県庄原市比和町三河内 慶雲寺境内
邑楽町:五位堂のシラカシ - 群馬県邑楽郡邑楽町篠塚615
萩市:弘法堂のシラカシ - 山口県萩市川上野戸呂
甲府市:塩沢寺のシラカシ林 - 山梨県甲府市湯村3-17-2 塩沢寺境内
桐生市:白髭神社のシラカシ - 群馬県桐生市織姫町1-1 白髭神社境内
さいたま市:瀬ヶ崎のシラカシ - 埼玉県さいたま市浦和区瀬ヶ崎3丁目
久万高原町:大元神社のシラカシ - 愛媛県上浮穴郡久万高原町露峰 大元八幡神社境内
北杜市:東漸寺のシラカシ - 山梨県北杜市須玉町若神子 東漸寺境内
鏡野町:古川のシラカシ - 岡山県苫田郡鏡野町古川1317 古川神社境内
さいたま市:満福寺のシラカシ - 埼玉県さいたま市北区日進町2-1003 満福寺境内

<転載、以上>
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アカガシ亜属(Subgenesis Cyclobalanopsis)