<Wikipediaより、転載>

ミズナラ(水楢、学名: Quercus crispula var. crispula)は、ブナ科コナラ属の落葉広葉樹。別名、オオナラ(大楢)。温帯の落葉広葉樹林の代表的構成種である。


シノニムは Quercus mongolica var. crispula。これは本種を北東アジアの広範囲に分布するモンゴリナラの変種と考えての扱いである。

特徴
近縁のコナラやクヌギより寒冷な気候を好み、北は北海道から樺太・南千島、本州、四国、九州の鹿児島県高隈山を南限に分布する。日本国外では朝鮮半島にも分布する。日本の山地から亜高山帯にかけて自生している。ブナと並んで落葉広葉樹林の主要樹種の一つである。ブナに比べると、やや明るい場所を好む。樹高は、大きなものでは35 メートル (m) に達する。葉は互生し、つやのない緑色で、葉身の長さは7 - 15センチメートル (cm) 、コナラよりももっと波打つようなはっきりした鋸歯(輪郭のギザギザ)がある。葉の裏面は淡緑色。花期は5 - 6月で、長さ5 cmほどの花を咲かる。果期は10月で、夏の間は青い果実(ドングリ)で、年内の秋には熟す。
なお、日本国内ではミズナラから派生した変種としてフモトミズナラ(近年まで“モンゴリナラ”と呼ばれてきた丘陵帯分布の集団)およびミヤマナラ(偽高山帯分布の矮性個体の集団)の存在が知られている。


樹皮



紅葉

利用
ミズナラのドングリはタンニンを含み、そのままでは渋くて食べられないが、灰汁抜きすれば食用になる。ドングリの中では灰汁抜きが面倒なほうに入り、粉にしないで水にさらすだけでは3か月たってもわずかに渋みが残る。粗い粉にしてから水にさらすと期間が短縮される。もっと短くするためには長時間煮てから水さらしするが、それでも処理には何日もかかる。縄文時代には分布域の東日本で冬の保存食として重要であった。近年まで山村で食べられていたが、現在はほとんど食用にされない。
20世紀にシイタケの栽培が盛んになってからは、コナラと同様に原木などに利用されている。
心材はくすんだ褐色。加工性・着色性に優れ、強度が大きく、重厚感がある。木材はチェスト(整理ダンス)などの高級家具、建築材、洋酒樽などに利用されている。日本のミズナラ材は、世界でも最高級のオークと評されている。特に北海道のものが良質とされ、「道産の楢」(ジャパニーズオーク)と呼ばれ、近年では国産ウイスキーの熟成樽としても利用されており、オーク樽と全く異なる繊細な風味を醸造出来る材として国際的に高い評価を受けている。

種の保全状況評価
日本の各都道府県で、以下のレッドリストの指定を受けている。

絶滅危惧I類(絶滅寸前または絶滅危惧・CRまたはEN) - 香川県
準絶滅危惧(NT) - 鹿児島県
1996年9月4日に長野県下伊那郡阿智村(旧清内路村)の『小黒川のミズナラ』(高さ約20 m、幹廻りは約7.25 m、昭和63年の調査で日本一の巨木とみなされた。)が、国の天然記念物に指定された。

種内変異
<変種>
ミヤマナラ Quercus crispula var. horikawae - ミズナラの高山型
フモトミズナラ Quercus crispula var.mongolicoides(シノニム Quercus serrata subsp. mongolicoides) - コナラの亜種ともされる。以前はユーラシア大陸産のモンゴリナラ Quercus mongolica と同種とされた。研究者により様々な見解が存在し、はっきりしない。

<交雑種>
カシワモドキ Quercus x anguste-lepidota - カシワとの交雑種
ミズコナラ Quercus x crispuloserrata - コナラとの交雑種
ホソバガシワ Quercus x nipponica - カシワとの交雑種
ミズナラガシワ Quercus x paucilepis nothovar. naramizugashiwa - ナラガシワとの交雑種自治体指定の木

以下の日本の市町村の指定の木である。また合併前に指定の木であった。
市町村
小清水町、斜里町 - 北海道オホーツク総合振興局斜里郡
芦別市 - 北海道空知総合振興局
京極町 - 北海道後志総合振興局虻田郡
旧自治体
河辺町 - 旧秋田県秋田郡(現:秋田市)
坂井村 - 旧長野県東筑摩郡(現:筑北村)


<転載、以上>