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【花づくりなど、栽培のコツを学ぶ】

園芸家によるノウハウや種苗メーカーなどの情報を元に花づくりに役立つ知識をご紹介します。

【花づくりに必要な基礎知識:その1「花の咲く仕組みと土、肥料について」】

<タキイ種苗の公式サイトよりの転載>


●花をよく咲かせるには

葉ばかり茂って、花が咲かないことがあります。これはなぜでしょう。花が咲くには、きまりがあることを、知っておく必要があります。

●花芽の分化

タネが発芽すると、ある期間葉をつくったり、茎を太らせたりします。これを栄養生長といいます。そしてある大きさになると、子孫を残すために働きます。これを生殖生長といいます。すなわち、今まではすべて葉や茎になる芽(葉芽)であったが、この時から花になる芽(花芽)もできます。これを花芽の分化と呼んでいます。

●花芽ができやすい条件

(1)花芽のできやすい、栄養状態になっていることが大切です。植物体に含まれる多くの化合物のうち、炭水化物(糠、でんぷん-C)の生成に比べ、チッソ(たんぱく、アミノ酸などに含まれているチッソ-N)の供給が少ない時、花芽が一番できやすい。これをC/N率が高いといいます。葉ばかり茂って、花が咲かないのは、CよりもNの方が多すぎるためです。いいかえますと、チッソ肥料を多く与え過ぎたためです。

(2)栄養不良の株では、花が咲いても貧弱であったり、蕾のうちに落ちたりします。それには、開花ホルモンなどの栄養が、充分にあることが大切です。

(3)植物体に含まれている水分が、少ないほど花芽ができやすい。

●日長と花芽の関係

秋咲きコスモスのように、秋に咲く花は、昼の時間が13時間前後になると花芽ができ、10時間以下になると、さらに促進されるものを短日性植物といいます。アサガオ、ダリア、ナスターチュウム、ヒマワリ、ホウセンカ、ルコウソウなどです。
これとは反対に、12時間以上の日長で開花促進されるものを長日性植物といいます。春に咲く多くの草花はこれにはいります。キンギョソウ、フヨウ、ヒナゲシ、ラークスパーなど。

<よい土とは>

草花が育つためには、空気、光、水、温度、養分などが充分になければなりません。養分は葉で行なわれてる光合成と、土の中から根の吸収によって得られます。このように土は、養分の補給源として大切で、次の条件をそなえているものがよい土といえます。

●通気性がよいこと

根は呼吸をしているから、通気性のよい土でなければなりません。また有益な微生物が生きるためにも酸素が必要で、通気がよい土は、有機物の分解が盛んになります。

●水はけがよいこと

水はけが悪いと、根は呼吸できなくなり、根腐れを起こして枯れます。特に鉢植えの場合は、致命的となるので、有機質や砂を混ぜて水はけをよくしてやります。

●保水力がよいこと

水はけがよいことと、保水がよいことは相反しますが、この条件をそなえているのが、団粒構造になっている土です(図参照)。土を団粒構造にするには、土が湿気のある時に耕したり、堆肥やきゅう肥などの有機質とか、石灰を与えてやります。一般に理想的な畑土とは、50%が土、25%が空気、残りの25%が水分となっているものをいっています。

●養分をもっていること

よく肥えた土で、しかも肥料をよく吸収できる力をもったものでなければなりません。一般に粘土は砂土より強く、さらに有機質を多く含む土は、粘土より吸収力が強いです。

●保温力のあること

このような土は、根の発育をよくし、肥料の分解を容易にします。

●病害虫が少なく、清潔なこと このことは当然のことです。


<肥料>

土中で不足しやすい養分は、チッソ、リン酸、カリで、これを肥料の3要素といいます。つぎに、これらの養分はどのように働いているか、知っておく必要があります。

●チッソ

植物体の主成分のたんぱく質、葉緑素の成分として必要で、葉をふやしたり、草たけを高くする働きがあるので、葉肥といいます。これが欠乏すると、葉は黄色くなり、下葉が枯れてきます。反対に多過ぎると、葉は濃緑色となり、柔らかく、病気にかかりやすく、葉はよく伸び、開花や成熟が遅れます。

●リン酸

タネや生長点などに多く含まれており、実肥といいます。根の発育や分球、および成熟を促進するとともに、花や果実、タネの形成に役立ち、品質によいものができます。

●カリ

茎や葉に多く含まれ、光合成たんぱく質、炭水化物の合成、移動、蓄積などに役立ち、茎葉を強剛にするので茎肥とも呼ばれます。また、リン酸とともに寒さに対する抵抗力をつけます。

<肥料の種類>

肥料を大きく分けると、化学肥料と有機質肥料になります。

●化学肥料

硫安、過リン酸石灰、硫酸カリなどは、化学的に合成されたもので、一つの成分しか含まれていないので単肥といいます。早く効くかわりに、すぐなくなります。鉢にはあまり用いられません。
最近は二つ以上の成分を含んだ、化成肥料がよく使われます。また、液体肥料もあって、水に薄めて花壇や鉢物によく使われます。

●有機質肥料

これには油粕、米ぬかなどの植物質肥料と魚粕、骨粉などの動物質肥料とがあります。遅効性肥料です。これらは元肥としてよいが、成分当たりの価格が高くつくのと、悪臭があるなどの欠点があります。これらを補うためにつくられたのが、マグアンプK、プラントフッドなどがあります。これらを複合肥料と呼んでいます。

<主な1〜2年草の花芽分化期>

<種類/分化の初期>

ヒマワリ 5月24日
マリゴールド 6月1日
ヒャクニチソウ 6月1日
アサガオ 7月5日
アスター 7月11日    
ケイトウ 7月11日
コスモス 9月5日
プリムラ 10月10日
シネラリヤ 11月20日



<転載、以上>
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