「竹垣」をつくるための基本として、先ずその材料となる「竹」を知らないことには始まりません。
このコーナーでは、専門家である「竹産地」「竹の工房」や「竹材店」からの情報をもとに「竹」という材料を理解するための情報を提供していきます。
◆竹の規格◆
直接、竹林から切り出して、材料を求めるのでなく、竹を業者などから入手する場合には、「竹の規格」を知っておく必要があるでしょう。
加工竹でなく、未加工の原竹の場合には、竹の太さ別に「何寸」という太さの規格があります。この場合の太さは、目通りという部分(大体根元から1.3mの辺り)の直径を示しています。
「目通り」とは、地表から1.2〜1.3mの高さをいいます。胸高ともいいます。竹の場合、地表(根元)あたりは、幾分細くなっており、目通りのあたりが一番太いので、この部分の太さを規格にしています。直径3cm程度を「3寸」(実際は、直径が3cm程度だと円周が9cm<1寸が3cmで、3寸が9cmだから>のためにこう呼んでいます)という規格で呼びます。
竹の習性から先端にいくに従って細くなっていく。また節間の長さは根元は短かいのが通常です。
業者の扱う竹材は、長さは運搬の関係から、およそ6m〜8m程度に切り止められ、本数も何本かの束(9寸なら2本程度、一番細い3寸なら20本程度の束)で売られています。
太いものは大ガラ、細いものを小ガラ、中間を中ガラ、3寸以下の極細のもの(2.5分)はジャミ竹と呼ばれることもあるようです。
◆竹の種類◆
おもに竹垣の場合は、原竹の「真竹(マダケ)」がつかわれています。用材として最も優れているため、販売されている竹のほとんどがこの竹といっていいでしょう。夏場を除いて在庫は豊富です。色艶良く、垣材・ディスプレィ・料理の器等、多用途にもちいられています。最近は中国産真竹が多く出回っているが検疫の関係で農薬が使用されていることを知っておく必要があります。その意味では、竹垣などでなく、料理の器には国内産の真竹を使用した方が安心でしょう。
「孟宗竹(モウソウチク)」も建仁寺垣などの場合には、「割竹」として使う場合もあるようですが、利用頻度が少ないために、あまり流通していないようです。外来種であるこの竹を管理していく必要性が叫ばれている今、表面の艶があまりよくないとしてももっと利用する環境の整備が必要かもしれません。