モウソウチクの帰化植物として知った最初は、国際自然保護連合の日本委員会(IUCN Japan)のサイトにある帰化植物リスト「外来侵入種ワースト100」からだったかもしれません。
ただ、その時は漠然と、孟宗竹も帰化植物なのだという程度だったと記憶しています。その脅威を本当に理解したのは、湯浅浩史教授の著作「植物からの警告」(ちくま新書)でした。
是非とも多くの方に帰化植物に対する見方、アプローチの重要性を知ってもらう、その脅威を発見する視点自体が重要であることを知ってもらいたく、以下にこの本からのその部分(第二章「暴れ出したモウソウチク −日本の里山に忍び寄る危機−」)を転載したいと思いいます。
<転載部分>
日本には、帰化植物が、史前帰化植物も含めて、1200種も侵入していると思われますが、森林の中にはほとんどありません。
まるで、日本の森林ががっちりとスクラムを組んで、海外からの植物をはねつけているように見えます。実のところ、その大きな理由は、侵入した帰化植物のほとんどが太陽の光をよく好む、日当たりのいいところを好む植物だからです。森林のなかでは、下草、林床はあまり日が差さないので、日陰を好むような植物しか生えません。それで、日本には、まだ海外からの樹木や草が本州、九州、四国の森林にはほとんど侵入していないのです。(中略)
一方、本州から九州にかけても、ある植物だけ、ガン細胞のように日本の森林を猛烈に侵しているのです。
それは日本の木でも草でもなく、竹、モウソウチクです。
私がモウソウチクを悪者扱いしたり、まるでエイリアンのように述べると、多くの人は「えっー?」というような顔をします。「モウソウチクの竹林はすばらしいではないか。安らぎを与えてくれるし、日本の美しい風景である。しかも、たけのこはおいしい」というふうに思われるからでしょう。
たしかに、たけのこはおいしいですし、手入れされた竹林は美しい。しかし、これは、日本本来の景観ではありません。モウソウチクは中国原産の植物です。
<転載、以上>
全ての帰化植物が脅威なのではなく、その植物の特性、また帰化したその風土、植生によって、大きく異なるのだということがわかります。しかも、その脅威は一見してわかるのではなく、その風土への体系的な理解が不可欠だという気がします。日本の場合は、森林という植生と風土への理解ということになるのでしょうか。
湯浅氏は、この第二章の中で上記の書き出しに続けて、「モウソウチクの来歴」「モウソウチクが暴れ出した理由」「危惧される問題」「モウソウチクの災害対策」を述べられています。
モウソウチクとは何か、その品種概要や日本への来歴は別に述べるとして、このカテゴリーでもこの展開同じ流れでその脅威をより、具体的にご紹介できたらと考えています。
ただ、その時は漠然と、孟宗竹も帰化植物なのだという程度だったと記憶しています。その脅威を本当に理解したのは、湯浅浩史教授の著作「植物からの警告」(ちくま新書)でした。
是非とも多くの方に帰化植物に対する見方、アプローチの重要性を知ってもらう、その脅威を発見する視点自体が重要であることを知ってもらいたく、以下にこの本からのその部分(第二章「暴れ出したモウソウチク −日本の里山に忍び寄る危機−」)を転載したいと思いいます。
<転載部分>
日本には、帰化植物が、史前帰化植物も含めて、1200種も侵入していると思われますが、森林の中にはほとんどありません。
まるで、日本の森林ががっちりとスクラムを組んで、海外からの植物をはねつけているように見えます。実のところ、その大きな理由は、侵入した帰化植物のほとんどが太陽の光をよく好む、日当たりのいいところを好む植物だからです。森林のなかでは、下草、林床はあまり日が差さないので、日陰を好むような植物しか生えません。それで、日本には、まだ海外からの樹木や草が本州、九州、四国の森林にはほとんど侵入していないのです。(中略)
一方、本州から九州にかけても、ある植物だけ、ガン細胞のように日本の森林を猛烈に侵しているのです。
それは日本の木でも草でもなく、竹、モウソウチクです。
私がモウソウチクを悪者扱いしたり、まるでエイリアンのように述べると、多くの人は「えっー?」というような顔をします。「モウソウチクの竹林はすばらしいではないか。安らぎを与えてくれるし、日本の美しい風景である。しかも、たけのこはおいしい」というふうに思われるからでしょう。
たしかに、たけのこはおいしいですし、手入れされた竹林は美しい。しかし、これは、日本本来の景観ではありません。モウソウチクは中国原産の植物です。
<転載、以上>
全ての帰化植物が脅威なのではなく、その植物の特性、また帰化したその風土、植生によって、大きく異なるのだということがわかります。しかも、その脅威は一見してわかるのではなく、その風土への体系的な理解が不可欠だという気がします。日本の場合は、森林という植生と風土への理解ということになるのでしょうか。
湯浅氏は、この第二章の中で上記の書き出しに続けて、「モウソウチクの来歴」「モウソウチクが暴れ出した理由」「危惧される問題」「モウソウチクの災害対策」を述べられています。
モウソウチクとは何か、その品種概要や日本への来歴は別に述べるとして、このカテゴリーでもこの展開同じ流れでその脅威をより、具体的にご紹介できたらと考えています。
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モウソウチクとは |
モウソウチク(孟宗竹、Phyllostachys heterocycla) |
モウソウチクが暴れ出した理由(1):里山の管理不足と外山への広がり |