トップ  >  桜草文献研究  >  桜草文献をそのタイプでカテゴリー区分する
ジャンル分け 基本区分 文献種別
桜草に関する文献といってもそのタイプは様々です。桜草に関する記述があるからというだけが共通点ということでなく、どんなタイプの文献であったかが重要になります。

「どんな人間が、どんな目的で作成し、どんな人がその文献を好んで読んだか」

このことを知ることで「桜草」が当時どのように人々の間で愛好されていたかを知ることができるでしょう。
本研究では、まず、文献のタイプを「表現」「記述方法」で区分しました。その上でそれぞれの文献について、どんな目的で書かれ、どんな人々に読まれたのかを研究していきます。

【表現・記述方法によるカテゴリー7区分】

1)「庭の花」、「自然の花」として鑑賞したことについての文献
主に和歌や歌に取り上げられる「自然の中の花」「庭に咲く花」として記述された文献です。歴史的には、最も古くから登場する文献でしょう。公家の日記が主なものです。

2)「立花」、「茶花」に活用する花としての文献
立花(初期は仏花)やお茶の席で飾られる花(主に下花)として、桜草が記述された文献です。各催事の解説や茶会記などに桜草についての記述が見られます。古くは、室町時代に登場してきます。

3)「本草図」「本草書」としての文献
本草学は、草木を「薬効」という基準で取り上げ、その効能を説明することを主目的にしていました。その意味では、「桜草」の記述はほとんど見ることができません。ただ、江戸後期に、本草学から、博物学へとの移行時期に登場する「本草書」には、取り上げられるようになりました。正確には、博物学書としての区分といった方が良いかもしれません。

4)「園芸術」「栽培手引書」としての文献
庭の花、立花などに利用する花として、育種、栽培するための手引書という目的で書かれた文献に見ることができます。

5)「桜草園芸」に特化し、植木屋などが営業目的や愛好家のためのガイドブックとして発行したものや江戸時代に流行した桜草愛好家たち(桜草連)などが「番付」などを作って楽しむ目的で誕生した文献です。

6)「花見」としての桜草見物についての文献
江戸時代後期に花見として「桜草見物」が流行したときに登場した花見ガイドとしての文献です。

7)その他の「和歌・狂歌」や「読本」「黄表紙」、または「意匠」「各種の文化・演芸」など。「桜草」が様々な形で記述、表現されたその他の様々な文献です。

この7分類を一応の基本分類として、この研究では、各文献がそれぞれどの区分に属するかを明確した上で取り上げていきます。
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