環境省Websiteより転載:
【指定植物の概要】

国立公園、国定公園などの自然公園は、すぐれた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、もって国民の保健、休養および教化に資することを目的として指定されている。

 このように、国立公園又は国定公園などの自然公園については、保護と利用の2つの側面があるが、国立公園又は国定公園の風致を保護するため、その区域内に特別地域が指定され、当該地域内においては、風致を維持するうえで支障を生じる可能性のある一定の行為が許可等の規制に係らしめられている。この規制を受ける行為は、自然公園法第13条第3項に列挙されており、その第10号に「高山植物その他の植物で環境大臣が指定するものを採取し、又は損傷すること。」が掲げられている。すなわち、高山植物その他これに類する植物のうち環境大臣が当該国立公園又は国定公園の風致の重要な構成要素になっていること等の観点から指定したものについては、これを採取又は損傷する場合には、国立公園にあっては環境大臣の、国定公園にあっては都道府県知事のそれぞれ許可を要することとされている。

 なお、環境省では、国立公園特別地域内において指定植物の採取又は損傷許可申請がなされた際は、自然公園法施行規則第11条第22項の、第1号「学術研究その他公益上必要であり、かつ、申請に係る場所以外の場所においてはその目的を達成することができないと認められるものであること。」第2号「採取し若しくは損傷しようとする植物が申請に係る特別地域において絶滅のおそれがないものであること。ただし、当該植物の保護増殖を目的とし、かつ、当該特別地域における当該植物の保存に資する場合は、この限りでない。」をともに満たす場合にのみ許可することとしており、国定公園の特別地域においても同様に取り扱われている。

【指定植物の選定範囲】

 指定植物としては、原則としてシダ植物門以上の高等植物であって草本及び潅木(主幹がないものまたは主幹が匍匐している木本をいう。)を指定範囲とした。
 ただし、蘚苔類及び低木以上の植物であっても学術上または風致の維持上極めて重要であり、かつ、採取により絶滅のおそれのある種については、これに加えることとしたため、例えば、ミズゴケ属、ヒカリゴケ、マリモ、ミネザクラ、ヘゴ等も指定対象とされている。