【地域住民や学内学生の倶楽部活動支援を考えるー教育の森プロジェクトへの連携へ】実際に若草研究室やその前庭(若草ガーデン)を市民や学生が活用することは、日常化してきました。
こうした活動を「学芸の森ボランティア」として統合、有機化していくことが2017年度は、地域連携部門の課題です。その一方で、教育の森としての「学芸の森」づくりは、そうしたそれぞれの地域団体や組織に任せきっているのが現状です。
園芸クラブ活動や自然農法による畑づくりとその成果を活用してのコミュニティづくりなどがそれです。ただ、あくまでその時に参加した人々にとっての学びや遊びであり、教育システムとしての構築がなされてきたわけではありません。その意味でも今後の「子ども遊パーク活動」との連携は、保護者を別として、子どもという範囲では可能性を拡大していくかもしれませんが、その支援にとどまることになりそうです。
この章では、そうした活動をさらに機構会議に参加している教員とボランティアアドバイザーの企画設計参加によって、新たな教育モデルを提案していくための計画を提案していきます。1) 基本モデルの準備現状の活動情報の蓄積と配信(ネット配信)目的:
●学びの蓄積と再利用
●より多くの層(学内、学外)対象とするとともに、実際の授業での学習素材としての利用の可能性を広げる基本モデルの第二次設計(各教科連携への試作案づくり)【第一期モデルから学ぶ】
2015年に若草研究所で実施した第一次モデルを
こちらにご紹介しています。
この第一次では、あくまで園芸、植物への興味喚起を「先人の知恵を学ぶ(この場合は、主に中尾佐助氏の業績を基礎にし、雑草をテーマに現状での植物テーマで設計しています)」基本目的に設計しました。
この段階では、実際の学校教育の教科単元や教科過程とは連携させませんでした。そのため、対象層も「地域住民(親、子供、高齢者)」「教員」「学芸大学の学生(教員予備軍)、教職員(教科プログラム設計者)」と限定せずに、内容を多岐にわたる植物への
興味の喚起をするにとどまりました。
第二期は、この内容を対象層を限り、より教育プログラム設計に役立つ内容へと昇華していきたいと考えていましたが、実際の学内(学生や教職員など)や地域住民(学内でのボランティア活動を進めている団体など)への展開には、環境機構自体の組織力や講座推進手法では限界があり、小規模な実現に至るのみでした。
学芸の森ボランティア組織設立の提案も機構会議では、先に進まず、規約などを提案したにも関わらず、そのまま、議題として提示されず、あくまで一部門からの提案として、留め置かれる程度になりました。このこと自体が学芸の森機構会議の機能が「教育の森」であり、「地域住民との連携」を模索するものとは程遠く、施設課などが推進する植栽管理の部分的支援やアドバイスなどを主とする現状の変更を良しとしていないことが見えてきました。
この解決に向けて、2018年度以降の活動を進められるかが大きな課題のようです。