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この項では、東京堂出版の「いけばな辞典」(大井ミノブ編)に掲載されている「キキョウ」の項目を紹介します。

<転載、以下>

桔梗(キキョウ科)
山野に自生する宿根生草本で、鑑賞用として庭園にも植えられるが、切り花としての需要が非常に多い。草丈80cmくらいに成長して、8〜9月頃、紫色の花を開く。変種に白い花や二重咲きなどがあり、秋の七草のひとつでもある。

(生け合わせ)
一種生けもよいが、おかとらのお、すすき、なでしこ、われもこう、ななかまど、びょうやなぎ、ゆきやなぎ、その他の山野のたいていの木物の根〆としてよし。
(水揚げ)
切り口に塩をもみこむか、塩湯の熱湯で30秒くらい煮るとよい。

<転載、以上>

ここでも「根締」としての活用が述べられている。
「根〆、根締」は、同「いけばな辞典」によると以下の通りです。

<転載、部分>

根〆
根締とも。生花で下段に、上・中段の材料とはちがった花物を加え、彩りとする材料のこと。その位置をも根〆とよぶ。とくに盛花や瓶花(投入)では、花型上でも、客位を根〆とよぶものが少なくない。根〆や作品の「重点」にあたり、安定感をあたえる。(以下、略)

<ついでに文中の「客位」についても解説しておきます。>

客位
席における客人の座る位置の意味。本勝手では、床の間に向かって右側、逆勝手では、左側の場所になる。すなわち、その席での上座を客位とする。小原流の盛花では、花型の役どころにも用いる。(湯川)

<転載、以上>

「立花」など木物の上段の花とは違って、より季節性などの高い草花を下段に配する場合に「季節の花としての桔梗」が適しているとしています。一緒に生ける草や木物も秋の草本を勧めていることからも生花で桔梗がそうした花として扱われてきたことが伺えます。


<転載、以上>
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