万葉集で登場する(2首のみ)うはぎはヨメナ、嫁菜とされています。登場する2首の歌は、以下のものです。一つは、柿本人麻呂、もうひとつは、作者不明です。以下に古く、韓国、アジアを元とする植物であるかが想像できます。
春にこの植物の若芽を取って食べていたようなので、春の歌です。

<歌紹介>

[size=medium]0221:妻もあらば摘みて食げまし沙弥の山野の上のうはぎ過ぎにけらずや

<原文>妻毛有者 採而多宜麻之 作美乃山 野上乃宇波疑 過去計良受也
作者:柿本人麻呂

<読み>
妻もあらば、摘みて食(た)げまし、沙弥(さみ)の山、野の上(へ)の、うはぎ過ぎにけらずや

<意味>
もし妻といっしょだったらうはぎを摘んで食べただろうに。沙弥(さみ)の野にうはぎが空しく伸びてしまっています。

柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)が、沙弥島(さみじま:香川県)に倒れ死んでいる人を見て詠んだ歌だとのことです。


1879:春日野に煙立つ見ゆ娘子らし春野のうはぎ摘みて煮らしも

<原文>
春日野尓 煙立所見 ■(女+感)嬬等四 春野之菟芽子 採而煮良思文<

作者不明

読み
春日野(かすがの)に、煙(けぶり)立つ見ゆ、娘子(をとめ)らし、春野のうはぎ、摘みて煮らしも

<意味>
春日野(かすがの)に煙が立っているのが見えます。娘子(をとめ)たちでしょう。春の野のうはぎを摘み取って煮ているようです。



<以上>
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風土区分:日本