【桜の害虫駆除について】

●コスカシバの被害と駆除について

○長野県林業総合センターのさくらのコスカシバ被害についての情報は、こちらをご覧ください。
○サカエグリーンのコスカシバ対策の資料は、こちらからご覧ください。

○樹木医などの教材では、その被害を予防するには、サクラ等、観賞用の樹木の場合は、5月末〜9月末まで毎月1回、比較的残効性が高いスミパイン乳剤100〜300倍液を噴霧するとされているようです。さらに休眠期には、ガットキラー・ラビキラー等のMEP乳剤を散布または塗布するように対策方法が説明されているようです。


コスカシバという虫について

1)【スカシバガ科について】


<Wikipediaより、転載>

スカシバガ科(スカシバガか、学名:Sesiidae)は、主としてチョウ目(鱗翅目)に属する分類群である。本科にはスカシバ(透翅、透羽、透かし羽)と呼ばれるガが含まれる。

【形態・生態】

成虫の前翅、後翅に鱗粉がなく、透明な部分を有する種が多い。
幼虫の多くは、様々な草本植物、つる植物、樹木の茎に穿孔して、内部で成長する。

【主な種】

ヒメスカシバ亜科

ヒメセスジスカシバ Pennisetia hylaeiformis
セスジスカシバ Pennisetia fixseni

スカシバガ亜科

オキナワスカシバ Scasiba okinawana
キタスカシバ Sesia yezoensis
オオモモブトスカシバ Melittia sangaica
モモブトスカシバ Macroscelesia japona
ブドウスカシバ Nokona regalis - 幼虫は、ブドウ虫としてヤマメ・イワナ・ニジマスなどの渓流釣りの釣り餌として使われている。
ビロードスカシバ Paranthrene tabaniformis
アカオビコスカシバ Synanthedon formicaeformis
Synanthedon myopaeformis
スグリコスカシバ Synanthedon tipuliformis

スズメガ科の「スカシバ」

また、スズメガ科に属すガでも、オオスカシバなど前翅、後翅ともに鱗粉のないもので、この名で呼ぶものもある。スズメガ科の昼行性の種の多くは、ホウジャクと呼ばれるものが多く、この中に、スカシバガ科と同様に翅に透明部分を持つものも少なくないが、「スカシバ」の名をもつのは、日本産のスズメガ科では、翅がほとんど完全に鱗粉を失い透明になる、ホウジャク亜科のオオスカシバとリュウキュウオオスカシバのみである。

<転載、以上>

●ヨコズナサシガメの被害と駆除について

【桜の被害について】

国立環境研究所の侵入生物データベースでは、主な外来種としての課題としては、他の虫の体液を吸うことでそれらの虫が減ることを強調しています。桜でも同じく葉などに被害を及ぼす「アメリカヒロヒトリ」「ヒロヘリアオイラガ」の天敵として、記載されています。そのため、駆除には、詳細なモニタリングが必要と表現されています。詳細は、こちらをご覧ください。

実際に「ヒロヘリアオイラガ」についての相互関係は、東邦大学の以下の論文でもその関連が報告されています。

論文タイトル:ヒロヘリアオイラガとヨコヅナサシガメの外来生物間相互作用
著者:中野貴瑛・瀧本 岳
掲載誌:昆蟲(ニューシリーズ)14(1) 2011年1月25日発行

この論文についての東方大学のプレスリリースは、こちらをご覧ください。

<以下に同プレスリリースより、一部を転載>

いつの頃からかサクラなどの木の上でよく見かけるようになったヒロヘリアオイラガとヨコヅナサシガメは、共に外来生物です。
 ヒロヘリアオイラガは年2化性(年に2世代)で、その幼虫はサクラやカエデ、ケヤキなどの樹木に生息し、営繭期になると幹を伝って地上近くにおりてきて繭をつくり蛹となります。幼虫はその葉を食し食害をもたらし、また体表に毒棘を有し、これに刺されるとひどく痛むため衛生害虫としても問題となっており、日本の侵略的外来種ワースト100に記載されています。

ヨコヅナサシガメは、ケヤキやサクラ、カキノキなどの樹幹に集団で生息する捕食性昆虫です。営繭期になって樹の上部から降りてきたヒロヘリアオイラガの幼虫も捕食します。本種は見た目の不快感から、不快害虫と認識されている地域があります。

本研究では、ヨコヅナサシガメがヒロヘリアオイラガに与える捕食の影響を定量的に調べることを目的に、両種の生息する桜並木において、「ヨコヅナサシガメの有無」と「ヒロヘリアオイラガの繭の数」の関係を、ヒロヘリアオイラガの第1世代、第2世代の両方について調べました。その結果、主に 第2世代時のヒロヘリアオイラガが成長したヨコヅナサシガメに捕食され、繭数を減らしていることがわかりました。このことは、翌年のヒロヘリアオイラガ第1世代の発生量を抑制するように働いている可能性があることを示しています。
 本論文では、外来生物対策においてヨコヅナサシガメを用いたヒロヘリアオイラガの生物的防除の可能性を検討するには、ヒロヘリアオイラガの個体群動態への影響も考慮する必要性があるとしています。一方、不快害虫と認識されているヨコヅナサシガメを駆除した場合、ヒロヘリアオイラガへの捕食圧がなくなることで、ヒロヘリアオイラガの発生量が増加する可能性があります。さらにヨコヅナサシガメが捕食する外来生物アメリカシロヒトリ(街路樹などの葉を食害する/本調査中に観察された)の発生量が増加する可能性も否定できません。これらのことから、ヒロヘリアオイラガやヨコヅナサシガメへの外来生物対策は、両種とこれらを取り巻く生物間の相互作用を十分に理解した上で進めるべきであると結論づけています。

<転載、以上>


ヨコズナサシガメという虫について

<Wikipediaより、転載>

ヨコヅナサシガメ(横綱刺亀、学名:Agriosphodrus dohrni)は、カメムシ目(半翅目)・サシガメ科に分類されるカメムシの一種。

【分布】

中国から東南アジアにかけて分布する。
日本にも移入分布しており、昭和初期にそれらの国からの貨物に紛れて九州に入ってきたと考えられている。その後次第に生息域を拡大し、1990年代になって関東地方でも見かけられるようになった。

【形態】

体長16-24mmで、日本に生息するサシガメの仲間では最も大型の種類である。体色は光沢のある黒色で、頭部が細長く、腹部の縁は黒地に白い横線が入り、翅の外側に張り出して反り返っている。体の黒色部は羽化直後の外骨格が硬化する前の段階では鮮やかな赤色をしている。

【生態】

サクラなどの大木の樹幹に集団で生息する。幼虫・成虫とも幹を歩き回ってケムシなど他の昆虫を捕え、細長い口吻を突き刺して体液を吸う。不用意に触れるとこの口吻で刺されることがあり、刺されると激痛を伴うので注意が必要である。

成虫は6月ごろ産卵し、8月ごろ孵化する。冬は幼虫で越冬し、木の幹の窪みに群がってじっとしている。翌年の春に羽化して成虫となる。
サクラ、エノキ、ケヤキ、クワ、ヤナギなどの、樹洞や大木の幹の窪みにすむことが多く、幼虫は数十から数百匹程度の集団で住んでいることが多い。

<転載、以上>
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