<Wikipediaより、転載>

オトギリソウ(弟切草、学名:Hypericum erectum)は、オトギリソウ科オトギリソウ属 の多年生植物。

【特徴】

日本全土から朝鮮半島、中国大陸の草地や山野に自生する。高さ20cm〜60cmにまで生育し、夏に2cm程の黄色い花を咲かせる。
葉の表面に褐色の油点が見られるが、これはヒペリシンという光作用性物質で、これを摂取した後に日光に当たると皮膚炎や浮腫を生じる。
またオトギリソウにはタンニンが多く含まれており、全草を乾燥させたものを小連翹(しょうれんぎょう)と称して生薬として用いる。

【和名のゆかり】

この草を原料にした秘薬の秘密を漏らした弟を兄が切り殺したという平安時代の伝説によるものである。この不吉な伝説のため、付けられた花言葉も「怨み」「秘密」と縁起が悪い。
平安時代、花山院(かざんのいん=花山天皇/安和元年〜寛弘五(968-1008))の御代(みよ)に鷹飼で晴嵐(晴頼)という鷹匠が代々受け継がれた鷹の傷薬である秘薬を弟が漏らしたというので、その弟を斬り殺したという伝説から名前が付いたという。<出典:「和漢三才図会」>

一方、基本的には薬草であり、タカノキズグスリ(鷹の傷薬)、チドメグサ(血止め草)などの悪いイメージのない異名も持つ(同様に民間療法で傷薬として使うチドメグサは別種に存在する)。

オトギリソウ茶に、マルトースをグルコースに分解する酵素であるマルターゼ阻害活性があり、血糖上昇が抑制されたとの報告がある。

◆画像◆


<転載、以上>

【薬効について】

<e薬草ドットコムより転載>

●薬効
神経痛(しんけいつう)
リューマチ
痛風(つうふう)
外傷(がいしょう)
打撲傷(うちみ)
月経不順

●生薬名:小連翹(しょうれんぎょう)
漢名と同じ

●採集と調整
全草を8〜10月の果実が成熟するころ刈り採り、天日で干して乾燥させます。

●薬効と用い方の詳細

有効成分:タンニン、また、セイヨウオトギリソウには、ルチン、クエルチトリン、クエルセチン、ヘペリジン、ヘペロサイド他

月経不順や鎮痛剤として用いる場合には、小連翹を刻み、1回量2〜4グラムに、水0.3リットルを加えて、煎じながら約半量まで煮詰めたものをこして、服用します。

外用には必要時に適量の生葉を採取して用い、民間での創傷、打撲傷には、新鮮な葉からしぼり汁を取り、傷に塗布します。
又、小連翹を刻み10〜20グラムに、水0.3リットルを加えて約30分煎じて、その煎液で患部を湿布します。
浴剤としてもリューマチ、神経痛、痛風などの鎮痛に効き目があるとされます。

ヒペリシン
オトギリソウには、成分としてタンニンが多く含まれていますが、特有なものとして黒紫色素のヒペリシンが知られています。ヒペリシンは紫外線を強く吸収して、生体内における光化学反応を異常に促進するものです。
オトギリソウを食べた牛や馬が太陽光線に当たると、強い皮膚炎を起こし、脱毛しますが、これがヒペリシンの作用と考えられます。
また、マウスにオトギリソウを与える実験では暗所では正常なマウスが日光に当たると急に痙攣(けいれん)を起こして死んでしまいます。これもヒペリシンの作用と考えられます。

オトギリソウ酒
生の茎葉約200〜300グラム(乾燥100〜200)、35度ホワイトリカー1.8リットルを漬け込み冷暗所に3〜6ヶ月保存して材料を引き上げます。外用に健康酒に利用します。外用の場合には、皮膚に付けて、パッチテストが必要になります。

<転載、以上>

また、江戸中期の漢方医、寺島良安の記述した和漢三才図会(1712)の弟切草についての記述は、以下の通りです。

「弟切草、正字未詳、按ずるに弟切草、初生は地膚子(ははぎ)の苗に似て、両々対生し、枝が有って、茎葉は揉めば汁が有って、暫くすれば紫色に変ず。六、七月に小黄花を開き、単への五弁にして細きズイ有り。三つの稜有り、中に細子有り、黒色。茎葉は金瘡、折傷及び一切の無名の腫物につけて神効有り」
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オトギリソウ(Hypericum erectum)