伊木力遺跡
＜長崎県の遺跡辞典より、その遺跡概略を以下に転載＞
住所：諫早市多良見町船津郷松手
【概略】
●遺跡・史跡の概略
本遺跡は、大村湾の南奥の伊木力川西岸の埋め立て地と背後の丘陵に立地するが、もともとは入江に面した場所(大村湾岸、低湿地エリア)にあった。
通学道路建設に伴って、１９８４年に試掘調査、翌年に発掘調査が、多良見町教育委員会の主催、同志社大学考古学研究室の担当で実施された。１９９３〜９５年には、国道２０７号特殊改良工事に伴って、県教育委員会によって発掘調査が実施されている。
１９８４・８５年の調査では、縄文時代前期〜晩期の遺物が出土し、特に縄文時代前期の轟式と曽畑式土器は良好な資料である。その他、石鏃・石錘・碇石・尖頭状礫器、磨製石斧などの石器、骨角器の銛先、丸木舟といわれる大型木製品、イノシシ・シカ等の獣骨、オニグルミ・ヤマモモ・シイ等の植物遺体などが出土している。
１９９３〜９５年度は、低地のＡ地区と丘陵のＢ地区の発掘調査が行われ、Ａ地区では縄文時代前期轟式のドングリ貯蔵穴２２基、後期初頭の貯蔵穴３基が検出され、縄文時代前期〜後期初頭期の土器に伴って、石鏃・石匙・石槍・石核・磨製石斧・石錘・碇石・石皿等の石器、けつ状耳飾りと大珠の装飾品が出土している。Ｂ地区では、主に弥生土器と中世の土器・陶磁器が出土した。長崎県の縄文遺跡は、外洋に面した海岸や五島列島などの海岸に多いが、そのなかで伊木力遺跡は大村湾沿岸での暮らしをよく物語る遺跡として評価される。
●主な遺構
ドングリ貯蔵穴
●主な遺物
縄文土器、石器、骨角器、丸木舟、装身具
●参考文献：
『伊木力遺跡』多良見町文化財調査報告書第７集 1990
『伊木力遺跡I』長崎県文化財調査報告書第126集 1996
『伊木力遺跡�供拂杭蠍�文化財調査報告書第134集 1997
＜転載、以上＞
実は、縄文時代に発掘される「ヤマモモ」は、現在のバラ科のモモ(中国原産のモモ)ではなく、ヤマモモ科のヤマモモという日本での自生種だと思われます。
ヤマモモの果実は、表面がぶつぶつしています。色は、真っ赤に近いです。対して、モモは、薄いピンクに色づいています。表面には細かい毛がありますが、ぶつぶつしてはいません。あえて言えば、形が丸いことくらいしか、中国から渡来した桃との共通点はなさそうです。
昔の日本人は、「丸くて、みずみずしい果実」を、モモと総称していたようです。古代にモモと呼ばれたものが、現代のモモと同じとは、限りません。「もともと、日本でモモと呼ばれたのは、ヤマモモのほうではないか」という説があります。これには、一定の根拠があります。現代のモモは、中国原産だとわかっているからです。ヤマモモのほうは、昔から、日本に自生していました。
その品種については、こちらのカテゴリーをご覧ください。
今のところ、日本最古のモモの遺物は、縄文時代晩期の遺跡から見つかっています。その頃のモモの果実は、現代のものより、ずっと小さいです。アンズくらいの大きさしかありません。古事記や日本書紀に登場するモモも、このような小さいものでした。
古事記や日本書紀では、モモは、魔除けの果実です。魔物に向かってこの小さなモモが投げられることで知られているのです。
＜長崎県の遺跡辞典より、その遺跡概略を以下に転載＞
住所：諫早市多良見町船津郷松手
【概略】
●遺跡・史跡の概略
本遺跡は、大村湾の南奥の伊木力川西岸の埋め立て地と背後の丘陵に立地するが、もともとは入江に面した場所(大村湾岸、低湿地エリア)にあった。
通学道路建設に伴って、１９８４年に試掘調査、翌年に発掘調査が、多良見町教育委員会の主催、同志社大学考古学研究室の担当で実施された。１９９３〜９５年には、国道２０７号特殊改良工事に伴って、県教育委員会によって発掘調査が実施されている。
１９８４・８５年の調査では、縄文時代前期〜晩期の遺物が出土し、特に縄文時代前期の轟式と曽畑式土器は良好な資料である。その他、石鏃・石錘・碇石・尖頭状礫器、磨製石斧などの石器、骨角器の銛先、丸木舟といわれる大型木製品、イノシシ・シカ等の獣骨、オニグルミ・ヤマモモ・シイ等の植物遺体などが出土している。
１９９３〜９５年度は、低地のＡ地区と丘陵のＢ地区の発掘調査が行われ、Ａ地区では縄文時代前期轟式のドングリ貯蔵穴２２基、後期初頭の貯蔵穴３基が検出され、縄文時代前期〜後期初頭期の土器に伴って、石鏃・石匙・石槍・石核・磨製石斧・石錘・碇石・石皿等の石器、けつ状耳飾りと大珠の装飾品が出土している。Ｂ地区では、主に弥生土器と中世の土器・陶磁器が出土した。長崎県の縄文遺跡は、外洋に面した海岸や五島列島などの海岸に多いが、そのなかで伊木力遺跡は大村湾沿岸での暮らしをよく物語る遺跡として評価される。
●主な遺構
ドングリ貯蔵穴
●主な遺物
縄文土器、石器、骨角器、丸木舟、装身具
●参考文献：
『伊木力遺跡』多良見町文化財調査報告書第７集 1990
『伊木力遺跡I』長崎県文化財調査報告書第126集 1996
『伊木力遺跡�供拂杭蠍�文化財調査報告書第134集 1997
＜転載、以上＞
実は、縄文時代に発掘される「ヤマモモ」は、現在のバラ科のモモ(中国原産のモモ)ではなく、ヤマモモ科のヤマモモという日本での自生種だと思われます。
ヤマモモの果実は、表面がぶつぶつしています。色は、真っ赤に近いです。対して、モモは、薄いピンクに色づいています。表面には細かい毛がありますが、ぶつぶつしてはいません。あえて言えば、形が丸いことくらいしか、中国から渡来した桃との共通点はなさそうです。
昔の日本人は、「丸くて、みずみずしい果実」を、モモと総称していたようです。古代にモモと呼ばれたものが、現代のモモと同じとは、限りません。「もともと、日本でモモと呼ばれたのは、ヤマモモのほうではないか」という説があります。これには、一定の根拠があります。現代のモモは、中国原産だとわかっているからです。ヤマモモのほうは、昔から、日本に自生していました。
その品種については、こちらのカテゴリーをご覧ください。
今のところ、日本最古のモモの遺物は、縄文時代晩期の遺跡から見つかっています。その頃のモモの果実は、現代のものより、ずっと小さいです。アンズくらいの大きさしかありません。古事記や日本書紀に登場するモモも、このような小さいものでした。
古事記や日本書紀では、モモは、魔除けの果実です。魔物に向かってこの小さなモモが投げられることで知られているのです。
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