<やさしいエンゲイより、転載>

園芸種としてのマサキを知る

園芸種としての特徴

日本、中国を原産とする常緑の広葉樹で、主に葉や樹形を楽しむ庭木です。耐陰性が強く、排気ガスなどの大気汚染や潮風にも比較的強く生長が早いので生け垣によく利用されます。
葉は楕円形で縁にゆるやかなぎざぎざが入り、革のような光沢があり厚めです。夏に緑がかった白色の小花を咲かせ、冬には赤い実を付けます。熟した実は3〜4つに裂けて、中から赤黄色の種子が現れます。葉だけでなく、この熟して裂けた実も美しいです。

用途
強い剪定にも耐えるので、庭の縁取りのような低い生け垣から境界になるような高めの生け垣、球形に刈り込んだ玉物仕立て、串にダンゴが刺さっているように見える2段の球形仕立てなどにできます。また、枝を切る作業を最小限にとどめて自然に近い樹形でも楽しめます。

種類
葉の大きさや色、姿などの変種が多い樹木です。葉に黄色い中斑がはいるキンマサキ、葉が白く縁取られるギンマサキ、春の新芽が明るい黄色で非常に美しいオウゴンマサキ、葉に黄色い縁取りがはいるベッコウマサキなどが知られています。

育て方

■栽培カレンダー


日当たり・置き場所

日当たりの良い場所を好みますが、ある程度の耐陰性があるので明るい日陰でも十分育ちます。

水やり・肥料

肥料は冬に油かすと化成肥料を同量混ぜたものを株元に軽く2握りほど与えます。

かかりやすい病気・害虫

春〜梅雨時期にうどんこ病が発生します。風通しや日当たりが悪いと発生しやすいので混み合った枝は適宜切り落として通風と採光をはかりましょう。

また、ユウマダラエダシャク(シャクトリムシの仲間で色が黒い)やツノロウムシ(カイガラムシの仲間)、ハマキムシなどの害虫が発生するので、薬剤をまいて予防します。

植え付け・用土

3月〜4月、9月〜10月が植え付けの適期です。マサキは細かい根がびっしりと張る性質があるので、根の間までしっかりと土が行き渡るよう丁寧に植え付けます。

土質は選びませんが、水はけが良くて腐葉土など腐植質の入った土が適しています。

ふやし方

さし木とタネまきができますが、非常に発根しやすいさし木の方が簡単です。

さし木は6月上旬〜9月上旬が適期で、その年伸びた若い枝を使います。できるだけ太くてしっかりした枝を選び15cmくらいの長さに切ります。枝の下2/3の葉を落として土に挿します。挿す場所は直射日光の当たらない半日陰の場所が適しています。

タネまきは秋〜冬に熟した果実を採ってすぐにまくか、乾かさないように貯蔵しておいて春になってからまきます。

手入れ

【刈り込み】

生長が非常に早いので年に2〜3回刈り込みを行って樹形を整えます。刈り込みは基本的に春から秋に適宜行いますが、新しい枝の出はじめる時期と真夏は避けます。また、花や実を楽しみたい場合は開花前の刈り込みも避けましょう。
木が若いうちは勢いよく伸びてくる間延びした枝は早めに付け根から切り落とし、あとは好みの樹形に刈り込んでいきます。樹形の整っている株は、はみ出た枝をばっさりと刈り込んで樹形を保ちます。刈り込みに強く、時期さえ間違わなければ多少短く刈り込んでしまっても枯れることはほとんどありません。

夏〜秋の刈り込みは避ける
夏〜秋に刈り込みを行うとその後出てきた若い芽が強い直射日光で日焼けを起こしてしまい、枝が枯れてしまうおそれがあります。夏〜秋は刈り込みや枝をたくさん切る作業は避けましょう。

【自然に近い樹形】

刈り込んでいろいろな形に仕立てることができますが、不要な枝や混み合った枝を切り落とす程度にとどめて自然に近い樹形で楽しむこともできます。

斑入り種の手入れ

斑入りの品種でも、時々斑の入っていない緑葉の枝が出てきます。そのままにしておくと 木の中に緑色の部分が目立つようになり全体の美観が崩れます。斑の入っていない枝は早めに切り落としましょう。

古株の再生

株が古くなってくると枝下の葉が落ちてしまいます。そのような場合は思い切り枝を短く切り詰めて新しい枝を出させて株の若返りをはかります。作業は新芽の出る直前3月頃が適しています。

ポイント

・夏〜秋の刈り込みは避ける
・日当たり〜明るい日陰で育つ
・さし木で簡単にふやせる


<転載、以上>
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マサキ(Euonymus japonicus)