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<Wikipediaより、転載>

マメ科 (Fabaceae, Leguminosae) は、被子植物に含まれる分類群の1つでいわゆるマメの仲間。科の階級に置くことが多いが、下位の3分類群を科にする見解もある(#下位分類を参照)。豆状の果実と種子をつくることを特徴とする。

【特徴】

マメ科の植物は、葉が羽状複葉になるものが多い。また「就眠運動(夜になると葉柄や小葉の根元(葉枕)で折れ曲がり葉が閉じること)」をするものもある。オジギソウでは触れただけで同じような運動を起こす。托葉があり、葉と同様に大きくなるもの(エンドウ)、蜜腺になるもの(ヤハズエンドウ)、とげになるもの(ハリエンジュ)などもある。
蔓植物になるものも多く、茎が巻き付くものと巻きひげを発達させるものがある。草本も木本もあり、また立派な樹木になるものも含まれる。
花は左右対称になる傾向がある。マメ亜科は独特の形を持っており、蝶形花という。雌しべは平らで、熟すると2つに割れ、中に1列におさまる種子を放出するものが多い。いわゆる「まめ」の形である。種子には胚乳はなく巨大な子葉が栄養分を蓄えている。

【生態】

一部のマメ科植物は根に根粒もしくは茎に茎粒を持ち、根粒菌という細菌が共生している。根粒菌は植物からリンゴ酸などの効率のいい栄養分をもらって生活の場を提供して貰う代わりに、大気中の窒素を植物にとって使いやすい硝酸塩に転換(窒素固定)する。窒素は植物にとって必須元素であり、肥料として取り入れる成分の一つであるが、豊富に存在する気体窒素は自然界では一部の細菌と雷などでしか使用可能形態に転換できない。特に根粒ではその能力が高いため、それを持つ植物は自ら肥料を作ることのできることになり、そのような植物はやせている土地でもよく育つものが多い。
帰化植物にはマメ科のものが多い。これは上記のように荒れ地でよく育つものが多いことも理由の一つであると考えられる。

【利用】

種子が可食のものが多く含まれ、広義の穀物として主食並に利用されるものも数多い。日常語としての豆は往々にして種子のことを指す。ただしマメ科のなかにもエニシダやクララ、トウアズキ、ニセアカシアといった有毒種があるため注意が必要である。
上記のようにマメ科には根粒などを持っているものが多く、それらは自力で肥料が作れるため、荒れ地でよく育つ。これは栽培植物としての扱いやすさにもつながるが、そのために荒れ地の緑化に使われる例もある。アカシアやギンゴウカンがその代表例である。これを利用してゲンゲなどは緑肥植物としても使われている。半面で、この窒素固定を自分で行なう生態のため、別の場所への人為的な移植が難しい種もある。
観賞用に栽培される種も多い。デイゴ、ハナズオウ、スイートピー、ルピナス、フジ、ホウオウボクなど、独特の花形と多彩な花色が楽しまれる。

【下位分類】

広義のマメ科は、745属19500種を含むとも、650属12000種であるともされる大きな科である。
花の形態により伝統的にマメ亜科、ジャケツイバラ亜科、ネムノキ亜科の3亜科に大別する(新エングラー体系など)。クロンキスト体系では独立の3科として、3分類群を含むマメ目を立てている。APG植物分類体系ではマメ科を広義のものに設定している。分子系統によれば、従来のジャケツイバラ亜科はマメ科の中で側系統群であることが示されており、ハナズオウ属などは別のグループにする意見もある。

◆マメ亜科(Faboideaeまたは代替名Papilionoideae)
最大の亜科、特徴的な花の形態を有する。

◆ジャケツイバラ亜科 Caesalpinioideae
花は左右相称であるがマメ亜科のように特殊化していない。サイカチ、センナ、ジャケツイバラなど。ハナズオウ、ハカマカズラなどは含めない見解もある[2]。

◆ネムノキ亜科 Mimosoideae
花は放射相称、花弁は小さく(雄しべが目立つ)、多数の花からなる花序を作る。ネムノキ、オジギソウ、アカシア(ミモザ)など。

【主な種】

Faboideae マメ亜科

Aeschynomeneae クサネム連
Aeschynomene クサネム属:クサネム
Arachis ラッカセイ属:ラッカセイ

Amorpheae ラッカセイ連

Amorpha イタチハギ属
A. fruitcosa イタチハギ

Cicereae ヒヨコマメ連
Cicer ヒヨコマメ属:ヒヨコマメ

Crotalarieae タヌキマメ連
Aspalathus アスパラトゥス属:ルイボス

Dalbergieae ダルベルギア連
Dalbergia ツルサイカチ属:キングウッド、ローズウッド、ブラジリアン・ローズウッド、ケランジィ
Pterocarpus シタン属:カリン、シタン

Desmodieae ヌスビトハギ連
Desmodium ヌスビトハギ属:ヌスビトハギ
Lespedeza ハギ属:ハギ
Uraria フジボグサ属:フジボグサ
Fabeae ソラマメ連 (Viceae)
Lathyrus レンリソウ属:ハマエンドウ・スイートピー
Lens ヒラマメ属:ヒラマメ
Pisum エンドウ属:エンドウ
Vicia ソラマメ属:ヤハズエンドウ・ソラマメ

Galegeae ゲンゲ連
Astragalus ゲンゲ属:キバナオウギ・ゲンゲ(レンゲ)
Glycyrrhiza カンゾウ属:スペインカンゾウ(リコリス)
Oxytropis オヤマノエンドウ属:オヤマノエンドウ

Genisteae エニシダ連
Augyrocytisus ギンヨウエニシダ属:ギンヨウエニシダ
Cytisus エニシダ属:エニシダ
Genista ヒトツバエニシダ属
Spartium レタマ属(一属一種):レタマ
Ulex ハリエニシダ属:ハリエニシダ

Hedysareae イワオウギ連
Hedysarum イワオウギ属:イワオウギ
Indigofereae コマツナギ連
Cyamopsis クラスタマメ属:クラスタマメ(グアールマメ、グアー)
Indigofera コマツナギ属:コマツナギ

Loteae ミヤコグサ連
Lotus ミヤコグサ属:ミヤコグサ

Luppineae ルピナス連
Lupinus ルピナス属:ルピナス(ノボリフジ)

Millettieae フジ連
Wisteria フジ属:フジ(ノダフジ)

Phaseoleae インゲン連
Butea ブテア属:ハナモツヤクノキ(英語版)
Cajanusキマメ属:キマメ
Canavalia ナタマメ属:ナタマメ
Erythrina デイゴ属:デイゴ
Glycine ダイズ属:ダイズ
Hardenbergia ハーデンベルギア属:コマチフジ(ハーデンベルギア)
Lablab フジマメ属:フジマメ
Mucuna トビカズラ属:アイラトビカズラ
Phaseolus インゲン属:インゲンマメ
Pachyrhizus クズイモ属:ヒカマ
Psophocarpus シカクマメ属:シカクマメ
Pueraria クズ属:クズ
Rhynchosia タンキリマメ属:タンキリマメ
Vigna ササゲ属:アズキ

Robinieae ハリエンジュ連
Robinia ハリエンジュ属:ニセアカシア(ハリエンジュ)

Sophoreae クララ連
Castanospermum カスタノスペルマム属(1属1種):オーストラリアビーンズ
Maackia イヌエンジュ属:イヌエンジュ
Ormosia オルモシア属:ワイルーロ
Sophora クララ属:クララ
Styphnolobium エンジュ属:エンジュ

Trifolieae シャジクソウ連
Medicago ウマゴヤシ属:ウマゴヤシ
Melilotus シナガワハギ属
Trigonella フェヌグリーク属:フェヌグリーク(コロハ)
en:Parochetus パロケツス属:ブルークローバー
Trifolium シャジクソウ属:ムラサキツメクサ(アカツメクサ)・シロツメクサ

Mimosoideae ネムノキ亜科

Acacieae アカシア連
Acacia アカシア属:アカシア・
A. senegal アラビアゴムノキ

Mimoseae オジギソウ連
Desmanthus アメリカゴウカン属:イリノイバンドルフラワー
Entada モダマ属
Leucaena ギンネム属:ギンネム(ギンゴウカン)
Mimosa オジギソウ属:オジギソウ
Parkia パルキア属:ヒロハフサマメノキ

Ingeae ネムノキ連
Albizia ネムノキ属:ネムノキ
Calliandra ベニゴウカン属:ベニゴウカン
Samanea サマネア属:モンキーポッド

Caesalpinioideae ジャケツイバラ亜科

Caesalpinieae ジャケツイバラ連
Caesalpinia ジャケツイバラ属:ジャケツイバラ
Gleditsia サイカチ属:サイカチ
Haematoxylum アカミノキ属:アカミノキ

Cassieae カワラケツメイ連
Cassia ナンバンサイカチ属:センナ
Chamaecrista カワラケツメイ属:カワラケツメイ
Ceratonia イナゴマメ属:イナゴマメ(キャロブ)
Delonix ホウオウボク属:ホウオウボク
Senna センナ属:エビスグサ

Cercideae ハナズオウ連
Bauhinia ハカマカズラ属:ハカマカズラ
Cercis ハナズオウ属:ハナズオウ

Detarieae デタリウム連
Saraca サラカ属:ムユウジュ
Tamarindus タマリンド属(1属1種):タマリンド

<転載、以上>
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