詩に詠われる「紫薇」


宮廷の花、木として、多くの詩人に詠われた「紫薇」

紫薇を詠んだ詩は幾つかあります。
阿藤伯海の「夏日雑詠」、杜牧の「紫薇花」、楊万里の「道旁店」白居易の「紫薇花」等です。以下に白居易の「紫薇花」を紹介します。

紫薇花 白居易

糸綸閣下文書静  糸綸閣下 文書静かなり
鐘鼓楼中刻漏長  鐘鼓楼中 刻漏 長し
独坐黄昏誰是伴  独り黄昏に坐して誰か是れ伴なる 
紫薇花対紫薇郎  紫薇の花は対す紫薇の郎

唐の時代、天子の詔勅をつかさどる中書省(糸綸閣下)は多くの紫薇が植えてあったので紫薇省ともいわれました。当時中書郎だった白居易が独り夕暮れまで残業していると、静まりかえった楼中に時を告げる鐘鼓が響きます。庭にはいっぱいの紫薇の花が咲き乱れていました。

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