<Wikipediaより、転載>

ヤマアジサイ(学名: Hydrangea serrata)は、アジサイ科アジサイ属の1種である。山中で沢によく見られることから、サワアジサイとも呼ばれる。
ただし、独立した種として認めず、アジサイ Hydrangea macrophylla(種としてのアジサイ、ガクアジサイ)の亜種 Hydrangea macrophylla subsp. serrata などとする説もある。

【分布】

本州では関東より西、また四国、九州などの山地に分布する。千島列島、台湾、中国南部の山地にもみられる。

【特徴】

ガクアジサイと比べ、花の色が多様性に富む。花序は直径7–18センチ、装飾花は直径1.7–3センチ。葉質は薄く光沢がなく、小さく(6.5–13センチ)、長楕円形・楕円形・円形など形はさまざまである。枝は細く、樹高1メートル程度である。

【利用】

葉にフィロズルチンの配糖体を含むものがあり、甘茶として利用される。「甘茶(アマチャ)」は分類上特定の品種を指す名称ではない。

【亜種等】

ヤマアジサイは分布域が広く、いくつかの亜種がある。なお、ヤマアジサイを種として認めない場合、これらはアジサイ Hydrangea macrophylla の亜種となる。

エゾアジサイ
亜種 H. serrata subsp. yezoensis (Koidz.) Kitam.
。ただし分子系統によると、ヤマアジサイよりアジサイ Hydrangea macrophylla に近縁である。東北地方・北陸地方・北海道、および朝鮮南部に分布する。高さ1–1.5メートルで、北海道のものは本州のものより大きい。花序は直径10–17センチ、普通青色や青紫色だが白・ピンク・ほとんど赤色のものもある。葉はヤマアジサイよりも大きく(10–17センチ)、ふちの鋸刃も鋭い。花期は5月中旬から6月中旬である。

アマギアマチャ
亜種 H. serrata subsp. angustata (Franch. & Savatier) Kitam.
。富士山・天城山周辺、静岡市梅ヶ島、箱根に自生する。花はすべて白く、葉はヤマアジサイより細い。生の葉は甘苦い。

ベニガク
変種 H. serrata f. rosalba (Van Houtte) Ohwi
。南日本の山地にみられる。江戸時代から栽培されている品種である。装飾花は白色だが日光に当たると赤みを帯びる。葉は厚く楕円形で、秋に紅葉する。

シチダンカ
栽培品種 H. serrata cv. ‘prolifera’
。萼が星型で重なっている。江戸時代から知られ、シーボルトが『フローラ・ヤポニカ』で報告していたものの発見例がなく、絶滅した「幻のアジサイ」とされていたが、1959年に六甲山で再発見された。ただし、江戸時代の「七段花」には、後に(1993年)滋賀県で発見された「東雲(しののめ)」という品種の方が花型がより似ているとされる。葉は卵形で、エゾアジサイに近い。

<転載、以上>
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ヤマアジサイ(学名: Hydrangea serrata)