トップ  >  応用体験学習の設計<花研究からの応用展開「桔梗編」 その1:植物園と花屋>
テストセミナーで取り上げた「桔梗」を例に、応用体験学習プログラムの設計をしていこうと思います。エリアは、植物園という施設上、関東圏対象に、花屋は、エリアを広げ過ぎると実際の開催が困難になるので、当初は、第一回テストセミナーへの参加予定者の多かった「神奈川県・相模原」エリアを対象にしています。


第一回の応用学習は、
先ず、自分の身近にその品種を探すというテーマです。
具体的には、「植物園と花屋」で探す

です。

【植物園での桔梗】
実際に国内の植物園での「桔梗(その品種と生育環境)」を見れる機会をつくります。
(2012年6月現在の調査、ヒアリング情報を以下に掲載しています)

●新宿御苑:
母と子の森自然教室(こちらから)というプログラムで園内に生育している園芸品種の桔梗を見れるプログラムがあります。
夏のプログラム(7月の開花)でキキョウなどを見ることができます。

●皇居東御苑
花の写真を撮り続けている個人のサイト「花追い人」のサイトにある都内編の2006年にある皇居東御苑の桔梗も7月上旬のものでした。

●小石川植物園
ホタルブクロ属の咋年の開花情報を見ると以下の3種が掲載されています。その他のキキョウ科の植物についての情報は、公式サイトには掲載されていません。現在問合せ、確認中。

1)ハタザオキキョウ:6月〜7月中
 実際は、ホタルブクロ属のカンパニュラ・ラプンクロイデス(Campanula rapunculoides)という品種です。細い釣鐘型の花が連なって咲きます。
2)ホタルブクロ:5月中旬
3)キキョウソウ:6月上旬
キキョウ科で学名は、Specularia perfoliataです。和名では、別名、ダンダンギキョウ(段々桔梗)とも呼ばれています。北アメリカが原産の帰化植物です。

●神代植物公園
直接電話問合せの結果:
最近、萩園の道路側のエリアに園芸品種のキキョウを植生し、例年7月頃には開花するとのことです。(園芸品種名は不明)

●筑波実験植物園<原生種を植生>
◆公式サイトからの情報◆
植物園の植物図鑑から「桔梗」検索すると品種情報の他にその植生している園内数箇所(山地平原、絶滅危惧種のエリアなど)で観ることができます。検索結果は、こちらから
この情報によると筑波山にも固有種があるとされています。開花時期は、7〜8月です。

●万葉植物公園(八王子市散田町5-37) 7〜8月頃
Tel:042-620-7269
施設の詳細情報は、こちらからご覧いただけます。
<設立の経緯>
昭和30年市町村合併により、横山村が八王子市に合併となり、古くから使われた横山の名を惜しみ、その風土を保存しようとする村民の意向により真覚寺山に「赤駒を山野にはかし捕いかにて、多摩の横山かしゆからむ」<歌の意味:馬(赤駒)を山野に放してしまったので(防人の夫は)多摩の横山を徒歩(かし)で行かねばならない、と夫の苦労を思う妻の心情を歌ったもの>と唄われた椋椅部荒虫の妻宇遅部黒女の歌を刻んだ万葉の歌碑を建て境内に建立し、その周辺に武田祐吉博士、本多正次博士の指導による万葉植物園を開設しました。
昭和36年めじろ台が開発されたとき、真覚寺山南側高台を造成した今現在の場所に公園が出来、帰属されました。


●鹿苑山 香勝寺(静岡県周智郡森町草ヶ谷968)
また、都内ではありませんが、静岡まで足を延ばせば、広大なキキョウ園をもつ、「鹿苑山 香勝寺」があります。約15種4万本100万株の桔梗を見ることができることで知られています。「五月雨」などをはじめ、数多くの品種を見ることができるそうです。

<開花時期>
6月初旬〜7月下旬:一番花、8月下旬〜9月下旬:二番花
という2つの時期に見ることができます。
公式サイトは、こちらからご覧ください。

<キキョウ園の開園情報>
5月29日、段階では、キキョウ園の開園は、6月9日予定のようです。


【植物園の開花探訪イベント】
実際にこうしたキキョウが咲く現場とその品種を知る機会が重要です。本セミナーの実地講習イベントとしての開催は、未定ですが、是非、可能な範囲で計画したいと考えています
>報告レポートは、別コーナーで掲載予定です。

【花産地・花市場・花屋での桔梗】
実際にお茶やフラワーアレンジに利用するためには、近くの花屋で入手できることが条件です。自宅にキキョウを栽培しているのでもなければ、実際に困難です。花屋さんのキキョウ(園芸種)入荷状況を調査し、ご紹介します。
今回のテストセミナーでは、「神奈川県・相模原」エリアを対象に設計してみます。

●花屋、花市場情報:調査、ヒアリング中<都内、首都圏範囲>

(切り花)
◆フラワーデザイナー、生花向け
◆茶花向け

<地域別の具体的な展開例のご紹介:その1>
【相模原エリアでの例】
◇まず、地元のなじみの花屋さんで購入することを前提にします。

Step1:
「その花屋さんと取引きのある花卉市場や産地などがどこかという情報を得る」

簡単なのは、お花屋さんの店員さんに「桔梗」の入荷が可能か、どうかを訪ねるのが早道です。
ただ、実際にあまり流通していないのが現状なので、実際に6月から7月にかけて、店舗で見ることができない場合「うちでは今、扱っていません」という返事がほとんどです。
この場合は、その花屋さんと取引のある花卉市場や園芸農家を教えていただき、その市場や農家に直接聞くのが早道です。
もちろん、連絡を取るためにといって、「どの花卉市場から仕入れているのですか?」などと聞くと、「何のために聞くのですか?」などと不信がられてしまうので、話の流れでそれとなく聞くに限ります。

Step2:
「近所の花屋さんの取引先の花き市場ら情報を得る」

それでは、次に花卉市場などから、直接ヒアリングで情報を得るとどんな情報が手に入るのかをご紹介しましょう。
このコーナーでは、相模原エリアを例に、取引先市場が「世田谷花き市場」である場合を例にします。
この市場にある卸の「世田谷花き」さんにヒアリングした例をご紹介します。

<以下、電話でのヒアリング情報>
◇切り花としての「桔梗」は、
6月現在、既に入荷しているそうです。
主に千葉、静岡、神奈川、埼玉などからの入荷ということです。また、7月中旬を過ぎると、少し北の埼玉や福島からの入荷になるようです。

それでは次に、
(種、苗、鉢植え)
◆ガーデニング、茶花庭向け
の鉢花はどうでしょう?

◇鉢花としての「桔梗」は、この市場では扱っていません。
これは、近くの「東京砧花き市場」での扱いになります。
そこで、次に「砧花き」さんにヒアリングをします。
以下が砧花きさんからのヒアリング内容です。

●入荷する産地は、埼玉、千葉とのことです。
品種内容は、
「ききょう」が3.5寸のポットと4寸の鉢
アストラシリーズやセンチメンタルブルーが3.5寸のポット
センチメンタルのホワイトが4寸の鉢
で入荷しているようです。
<ヒアリング情報、以上>

これらをなじみの花屋さんは買うことができることがわかります。
これらの園芸品種は、このサイトの花研究の「桔梗研究」にある園芸品種の説明をご覧になれば、どんな品種であるかはわかります。

Step3:
「直接、園芸農家から情報を得る」

さて、花卉市場でも上記の情報以上の情報を得ることはできません。具体的な花の状態などは、実際に花屋さんに仕入れてもらって、その目で見るまでは良くはわかりません。
仕入れてもらって、実際に見てみたら、とてもフラワーアレンジやお茶に使えないなどという場合もあるかもしれません。
もちろん、先ず体験することが大事ですから、チャレンジしてみるのも良いでしょう。
でもやはり、実際に咲いている状態なども知っておきたいものです。次には、かなり難しい方法ですが、一度チャレンジをおすすめするのが、実際の園芸農家を訪ねて、栽培している現状を観るという方法です。

上記の花き市場の情報を便りに、より近くの園芸農家を探すことにチャレンジしてみましょう。

●花産地の情報の集め方●
その1)各県農政部など農家の指導をしている部門に問合せをする

この方法は、一見、簡単に情報が得られそうですが、実際にはかなり難しいのが現状です。
なぜなら、各県の農政部などでは、担当者の数の制約で、花卉を専門に担当している人間が一人だけという場合がほとんどです。
しかも、年中、各地域の農家などを巡回したりして、指導しているので電話などで捕まえるのは、面識のない我々はほとんど困難といっていいでしょう。個人情報の保護などということを理由に教えていただけない場合がほとんどです。

その2)各県の地域ごとにあるJA支部に問い合わせる

その次には、実際の農家が所属している各県を幾つかエリアに分けて管理しているJAの各支部に問い合わせる方法があります。
ただ、これもかなりの数ありますので、支部の事務所に電話をしても良くわからず、「県に聞いてくれ」「直売所で聞いてくれ」という返事が返ってくることがほとんどです。


その3)各JA支部の直売所で花卉を扱っている直売所を訪ねる
実際、各JA地区支部で農家が直売所として出荷している場所に電話などで花「桔梗」を扱っているかを問合せをし、その上で実際に訪ねるのが一番近道かもしれません。

【神奈川県、相模原地区を例にした場合】
このサイトでは、「花産地研究」も進めています。そのコーナーで試しに、神奈川県のJAの直売所情報を収集して、ご覧に入れています。特に今回のために「JA相模原市」の直売所は、連絡先や住所などもこちらに掲載しておきました。参考にしてください。

もちろん、実際に行くとなると時間がかかるのは実際ですが。相模原エリアにお住まいの方には、「桔梗」に限らず、地元で育成されている花の種類を知るのにも良い機会となるので、実際に直売所を訪ねることをおすすめします。

<この項、続く>
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