【キンメツゲの育て方】

<ガーデニング花図鑑(一部、剪定については、「庭師の知恵袋(日本造園汲井連合会編、講談社刊行を参照。赤字で記載)」)>

<転載部分>

【栽培の特徴】

生垣に利用されるツゲの仲間。色合いが鮮やかな黄緑で、刈り込むことで新芽が出るとなお綺麗。花も咲きますが基本的に葉っぱを楽しむ植物。暑さ・寒さに強く、常緑で、病気にも強く、日陰にも比較的強いし、刈り込んでもよく新芽が出る。新芽は出るが、樹木全体の生育(上へと伸びるという意味)は遅くて1年で10センチか20センチ程度と、生垣としては最高の性質を持っています。
5月〜6月に花が咲いて10月に真っ黒い実をつけます。この種子を播くと株をふやすことは容易です。


<まとめ>
⚫初心者でも育てやすい生垣
⚫剪定が大事。新芽はよく出るが枝の生育は遅い。
⚫ハマキムシが発生する


【水やりと肥料】

キンメツゲは大抵が庭の生垣か、シンボルツリーのように植えるものなので、庭植えになります。庭植えにした場合は、よほど日照りでもない限りは、自然に降る雨で十分です。
ただし真夏の乾燥時期に水をやり忘れていると株が弱って落葉することがあるので注意。


【肥料】

2月に株の周囲に穴を何個か掘って、そこに寒肥として有機肥料(腐葉土・堆肥・油粕)を入れて混ぜ込んでください。肥料に根が触れると根が「肥料焼け」を起こして発育不良を起こしたり枯れることもあるので、穴を掘ってみて根が無いようなら肥料を入れるようにしてください。もしくは肥料を少なめにします。肥料がないと葉っぱの色が元気がなくなりますが、肥料がなかったからといって枯れることはないです。それでも出来るだけ毎年、寒肥をやってください。

【植え付け・植えかえ・種蒔き】

肥沃な土を好みますが、かといって痩せ地で育たないということもないです。それでも植える前に堆肥や腐葉土をしっかりと混ぜ込んでから植えてください。庭植えの土は赤玉土2腐葉土1を混ぜたものを使用します。
鉢植えでも育ちます。鉢植えにするときは一般的な「花と土の培養土」で植えてください。

⚫多少の痩せ地でも問題無くて、土も選ばないとされますが、それでも、極端に痩せ地だったり、水はけが悪い粘土質だったり、小石が大量に混じってあまりに水はけが良いとさすがに、育ちません。
⚫石が入っていて水はけが良すぎるなら小石は出来るだけ取り除いてください。粘土質ならば、腐葉土や砂をまぜて水はけを良くします。痩せ地なら腐葉土・堆肥をまぜます。こういうのは自分の判断ではなくて専門家に相談したほうがいいでしょう。


【植え替え時期】

春は4月から6月が適期。秋は9月から10月が適期。ただ乾燥に晒さなければ、どの時期でも植え付けは可能。植えるときは水極めをすると良いです。

【管理場所・日当たり】

日当たりが好ましい
日に当たると葉っぱの色が薄めになり、鮮やかになります。日当たりが悪いと葉っぱの色が濃くなり、キンメツゲの利点がちょっと薄れます。できれば日当たりが良い場所が好ましいですが、日陰にも強いので、半日陰でも十分育ちます。


【その他】

幼い時はハマキムシが発生しやすいですが、育ってくると虫の被害も減ってきます。ハマキムシ(幼虫)を放置しているとどんどんと増えていきます。捕殺するか薬殺するか早めに対処します。アカシマメイガの幼虫も発生します。
ハダニも発生します。ハダニは乾燥して風通しが悪いと発生するので、葉っぱに水をかけたり、枝を裁くことで予防は可能です。ハダニが発生したら、すごい勢いで増えるので、薬剤をまいたほうが良いです。


●落葉について

キンメツゲは常緑樹で季節によって落葉があっても、丸坊主になることはありません。丸坊主になるほどに落葉するなら、根か何かに問題があると思われます。また水不足でも落葉します。乾燥時期は気を付けてください。

キンメツゲは刈り込みをするとよく新芽が出ます。しかし、あまりに密生すると風通しが悪くなり、蒸れて落葉することがあります。そういう場合はさらに刈り込んだり、枝を整理して、風通しを良くしてください。また、日が当たらない内部(幹近くの)の葉っぱは自然と落葉します。これは諦めましょう。

【剪定について】

春から秋まで適宜剪定を行います。
一年に最低2回の刈り込みを行って、いつもきれいな樹形を確保しておきたい樹木です。1回目の刈り込みは、新芽が伸びを止める少し前の5〜6月頃。余裕があれば、梅雨明けの頃に再度小枝を刈ります。2回目は、土用芽がかたまった秋口。玉の刈り込みは、脇から天端(てんば)に向かって刈バサミを入れていきます。脇からまず刈り込みを始めて、まず厚さを決め、その厚さをそろえながら、天端に向かって刈り込んでいくときれいに仕上がります。
キンメツゲは刈り込むと新芽が出て、その新芽が綺麗なので、刈り込むことは単に形を整えるだけでなく、色鮮やかに保つ意味もあります。適宜刈り込みをしましょう。

刈り込むと幹から枝が伸びてきます。また根元からひこばえも生えてきます。これらを放置していると、枝が密生して風通しが悪くなるので、必要でない枝はどんどんとさばいていきます。
ときどき、突然、枝が枯れることがあります。この枝は根元からバッサリと落としてください。


萌芽はするが、枝はでにくい

枝を落とす前に聞いてください。
キンメツゲは新芽は出やすいのですが、枝や幹の生育はすこぶる遅いです。つまり芽を刈る分には回復はするのですが、枝を落とすとなかなか回復しない。専門業者は刈り込みすぎて形が悪くなったキンメツゲの株は新しいものに植え替えることがあるくらいです。そのくらいなかなか回復しない。
だから、剪定といっても表面を多少削る程度です。


<転載、以上>
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キンメツゲとは
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キンメツゲ(金芽ツゲ、Ilex crenata 'Kinmetsuge')