<イー薬草ドットコムより、転載>

【薬効】
消化不良、腹痛、小便不利、水虫(みずむし)、虫さされ


見分け方・特徴

サンショウは、日本全土の山野の林の中や林縁に普通に見られる落葉低木で、庭などにも植栽されています。
刺が多く、小枝の葉の基部に1対あります。
葉は、奇数羽状複葉(うじょうふくよう)で、小葉は長さが1〜3.5センチで11〜19枚あり、長楕円形で、縁(ふち)はぎざぎざです。
春になると葉の付け根に、緑黄色の小型の花を多数つけます。
雌花と雄花が別々の雌雄異株(しゆういしゅ)で、秋には表面がでこぼこした小さい球形の果実をつけます。
やがて、果実は赤く熟して、果皮(かひ)が裂けて中から黒い種子がこぼれだします。

採集と調整

夏から秋にかけて、果実が赤く色づくころに果実を採取します。
それを、天日で乾燥させてから、たたいて種子を出して果皮だけにします。
これを生薬(しょうやく)で山椒(さんしょう)といいます。

薬効・用い方

有効成分は、ジペンテン、シトロネラールなどの芳香。サンショオール、サンショアミドの辛味。
サンショオール、サンショアミドの辛味成分は、大脳を刺激して内臓の働きを活性化する。

山椒(さんしょう)は、苦味(くみ)チンキの原料でもあり、芳香辛味性健胃、整腸剤などに用います。

山椒(さんしょう)の成分のサンショオールやサンショウアミドは大脳を刺激して、内臓器官の働きを活発にする作用があるとされていて、胃腸の働きの弱くなった消化不良や消化不良が原因の胸苦しさ、みぞおちのつかえ、腹の冷え、腹部のガスの停滞、それに伴う腹痛に効果があります。
山椒(さんしょう)は、刺激が強いので、炎症性やかいよう性、発熱性のような激しい病気の場合は使用を避けます。
1日量は2〜5グラムで0.3リットルの水で、約半量まで煎じて1日3回に分けて食後に服用します。
民間での利用も多く、種子は利尿(りにょう)剤として15グラムを適量煎じて食間に1日3回服用します。

果実8グラムを、約0.6リットルの水で煎じ、1日3回に分けて温服。(胃腸病、胃下垂症、胃拡張症、駆虫など)
果実の粉末を1回量2グラムを服用(利尿、胃腸病、膀胱炎、健胃に)
果実の煎じ汁を水虫に塗布。生の葉をもんで虫刺されに塗る。

●山椒酒:サンショウの果実(乾燥)100グラム、ホワイトリカー1.8リットル、グラニュー糖200グラムを6ヶ月程度おいてから、材料を引き上げ、布でこしてから、芳香健胃、整腸、腸内ガスの放出、解毒、食欲増進に1日杯1杯飲用するが、1日に2回が限度。食欲不振の場合は食前に飲用。

やわらかい新芽を摘み取り、生のまま木の芽あえ、あえもの、佃煮、吸い物に香りづけ、彩りに添える。種子は炒って香辛料にする。

信州の下伊那(しもいな)地方では1日1粒ずつ果実を食べると疲れがとれるといわれています。

●七味唐辛子
七味唐辛子は、トウガラシ、山椒(サンショウ)、胡麻(ごま)、 麻子仁(ましにん/麻の実)、陳皮(チンピ)、罌粟子(オウゾクシ/ケシの実)、紫蘇子(シソシ)の7種類から成る薬味

<転載、以上>
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サンショウ(Zanthoxylum piperitum)