<Wikipediaより、転載>

アラカシ(粗樫、学名: Quercus glauca)は、ブナ科コナラ属の常緑広葉樹。クロガシ、ナラバガシともいう。

【特徴】

樹皮は黒っぽい灰色。
葉は楕円形で硬く、中央から先にあらい鋸歯がある。裏面は粉を吹いたように白い。
開花期は4・5月で、雌雄異花。
果実(堅果)は、いわゆるドングリのひとつになる。殻斗(ドングリの入っている台のような部分)は環状である。

【分布・生育地】

中国、台湾、日本(本州東北以南、四国、九州)に分布する。
人里近くの雑木林に多く見られる。照葉樹林の構成種であるが、人為的攪乱にも強く、人手が入った二次林に特に多い。そのような森林は大体コジイとアラカシを中心とした森林になるが、極相ではタブノキなどが入るものと考えられる。照葉樹林そのものがほとんど残っていない場所でも、この種は比較的よく見られる。

【種内変異】

変種

アマミアラカシ Quercus glauca var.amamianaシノニムCyclobalanopsis amamiana

ホソバアラカシ Quercus glauca var. linearifolia

品種

ヒリュウガシ Quercus glauca f. lacera

園芸品種

ヨコメガシ Quercus glauca ' Fastigiata'

交雑種

チンゼイガシ Quercus x kiusiana ハナガガシとの種間雑種
イズアカガシ(ヒメアカガシ) Quercus x yokohamensis シノニム Quercus x idzuensis アカガシとの種間雑種

【天然記念物】

<都道府県指定>

山口県 : 秋穂二島のアラカシ - 山口県山口市大字秋穂二島1376番地 栄泰寺境内
大分県 : 朝見神社のアラカシ林とクスノキ - 大分県別府市朝見2丁目 朝見神社境内
兵庫県 : 栲幡原神社のカシ林 - 兵庫県養父市大屋町和田 栲幡原神社境内
岐阜県 : 熊野神社のアラカシ - 岐阜県揖斐郡揖斐川町春日美束種本1216 熊野神社境内
群馬県 : 雙林寺の千本樫 - 群馬県渋川市中郷 雙林寺境内
茨城県 : 高宮神社のカシ - 茨城県常陸太田市大菅892 高宮神社境内
広島県 : 鶴亀山の社叢のアラカシ林 - 広島県東広島市河内町入野恵能田 布多都宮神社境内
香川県 : 根上りカシ - 香川県高松市栗林町1丁目20-16 栗林公園
広島県 : 馬木八幡神社の社叢 - 広島県広島市東区馬木五丁目1370ほか 馬木八幡神社境内

<市町村指定>

大牟田市 : 一ノ尾のアラカシ - 福岡県大牟田市一ノ尾
井原市 : 上高末のアラカシ - 岡山県井原市
桐生市 : 鏑木のアラカシ - 群馬県桐生市新里町新川字鏑木2291-2
仙台市 : 賀茂神社のアラカシ2本 - 宮城県仙台市泉区古内字糺1 賀茂神社境内
坂東市 : 国王神社のアラカシ - 茨城県坂東市岩井951
豊田市 : 三箇のあらかし - 愛知県豊田市三箇町内坪
芦北町 : 田浦阿蘇神社のアラカシ - 熊本県葦北郡芦北町田浦 阿蘇神社境内
常陸太田市 : 高宮神社のアラカシ - 茨城県常陸太田市西河内上町877 高宮神社境内
宇都宮市 : 多気山のアラカシ・ウラジロガシ林 - 栃木県宇都宮市
設楽町 : 長江のカシ - 愛知県北設楽郡設楽町長江
広島市 : 中の森八幡神社のアラカシ - 広島県広島市安佐南区沼田町吉山2914 中の森八幡神社境内
早川町 : 初鹿島の大アラカシ - 山梨県南巨摩郡早川町
和気町 : 藤野のアラカシ - 岡山県和気郡和気町藤野
長瀞町 : 法善寺のアラカシ - 埼玉県秩父郡長瀞町井戸476
井原市 : 向東のアラカシ - 岡山県井原市

【利用】

公園や学校にもよく植栽されている。木は建築材として利用される。
大きな木になると、樹皮の傷口から虫が入り、これにカブトムシやクワガタムシが集まることがあり、クヌギほどではないが、そのような昆虫を見るのによい木である。

◆画像◆(大阪府 2006年10月)


<転載、以上>

<アラカシの葉と果実>


<アラカシの全形>
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アラカシ(Quercus glauca)