ワカキノサクラ(Cerasus jamasakura (Siebold ex Koidz.) H.Ohba 'Humilis'、稚木の桜)

【特徴】

種から発芽し2〜3年ほどで花を咲かせるヤマザクラの幼形開花型変種。名前もこの特徴から名付けられた。白花で縁が赤くなることもあるよう。萼筒は長い鐘形、萼片は披針形。樹高は3m程度にしかなりません。

【発見の由来】

牧野富太郎博士がその故郷の高知県高岡郡佐川町で自生しているものを発見し、採集、命名しました。

【現在の研究:大庭・岩元】

ワカキノサクラは、「独立種」「ヤマザクラの品種」「ヤマザクラと区別されない」という3 つの異なった見解がこれまでに示されている。
比較してみると,ワカキノサクラは分枝様式および葉形成がヤマザクラとは大きく異なり、明確な区別が可能であるものの、核ITS 領域に基づいた分子系統解析ではヤマザクラに近いことが分かった(Iwamoto et al. in prep.)。
これらのことからヤマザクラの変種ランクと認めるのが良いと思われる。これまではワカキノサクラはサクラ属Cerasus の下での学名がなかったため,Cerasus jamasakura (Siebold ex Koidz.) H. Ohba var. humilis (Makino) Iwamoto & H. Ohbaとした。


■画像■

<兵庫県西宮市>


<日本花の会結城農場:花弁の縁が赤>


<学芸大学自然館入口の株>
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