<Wikipediaより転載>

ナズナ(薺、学名:Capsella bursa-pastoris)とは、アブラナ科ナズナ属の越年草。別名ペンペングサ(ぺんぺん草)、シャミセングサ(三味線草)、婆の巾着(尾張地方)。田畑や荒れ地、道端など至るところに生える。ムギ栽培の伝来と共に日本に渡来した史前帰化植物と考えられている。

【特徴】

高さは20 - 40cm。花期は2 - 6月。4枚の白い花弁を持つ直径3mmほどの小さな花を多数、花穂に付ける。次々に花を咲かせる無限花序で、下の方で花が終わって種子が形成される間も、先端部では次々とつぼみを形成して開花していく。
果実は特徴のある軍配型で、次第に膨らんで2室に割れて種子を散布する。こぼれ落ちた種子は秋に芽生え、ロゼットで冬を越すが、春に芽を出すこともある、越年草、または一年草である。

【名前について】

名前の由来は、夏になると枯れること、つまり夏無(なつな)から、撫でたいほど可愛い花の意味、撫菜(なでな)からなど、諸説ある。
ぺんぺん草やシャミセングサという別名がよく知られている。「ぺんぺん」は三味線を弾く擬音語で、花の下に付いている果実の形が、三味線の撥(ばち)によく似ている。
英名のShepherd's purseは「羊飼いの財布」の意味で、学名の種小名の語義も同じである。

【人との関わり】

春の七草の一つで、若苗を食用にする。かつては冬季の貴重な野菜であった。貝原益軒は『大和本草』で唐の詩人蘇軾を引用し「『天生此物為幽人山居之為』コレ味ヨキ故也」(大意:「天は世を捨て暮らしている人の為にナズナを生じた」これは味が良いためである)と書いている。七草粥の頃には春の七草がセットで販売されるが、それにナズナと称してタネツケバナが入っている例がある。
民間薬として陰干ししたのちに煎じたり、煮詰めたり、黒焼きするなどしたものは肝臓病・解熱・血便・血尿・下痢・高血圧・止血・生理不順・腹痛・吐血・便秘・利尿・目の充血や痛みに効き、各種薬効に優れた薬草として用いられる。
江戸時代には、旧暦4月8日に、糸で束ねて行灯の下に吊るし、虫除けのまじないにする習俗が広くあった。
このほか、子供のおもちゃとしての利用もある。果実が付いた花茎を折り取り、果実の柄を持って下に引くと、柄がちぎれて皮でぶら下がった状態になる。このように多数の果実をぶら下げた状態にして、花茎を持ってくるくる回す(でんでん太鼓を鳴らすように)と、果実が触れ合ってちゃらちゃらと小さな音がするのを楽しむ、というものである。

【慣用句】

ぺんぺん草が生える
ナズナが荒廃した土壌であっても生育することから、荒れ果てた様子を指す。

ぺんぺん草も生えない
荒廃した場所で育つナズナでさえも生育しない様子から、転じて何も残っていない状態、一切合財が残らない状態を揶揄した表現で、「○○が通った後はぺんぺん草も生えない」のように用いる。

【近縁種】


イヌナズナ Draba nemorosa
グンバイナズナ Thlaspi arvense
マメグンバイナズナ Lepidium virginicum

◆画像◆


<転載、以上>

<ナズナのロゼット>



芽生えの初期の根出葉は、切れ込みが少ないが、その後羽状に深く切れ込んだ葉になります。その形は変化します。茎は、ロゼットの間から直立するように伸びていきます。茎につく葉は基部が矢じり形で葉を抱きます。
寒さに耐えて、生長したナズナの葉(根生葉)は、細胞分裂を促進するプリン誘導体の形成が悪いために、葉が切れ込んでしまうのですが、ナズナがおいしいと評価されているのは、その後の伸びてくる茎に付く葉のようです。プリン誘導体は、旨み成分として、重要なものですが、葉には、この他に葉酸という重要な栄養素もあります。
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ナズナ(Capsella bursa-pastoris)