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第一章中の日本の帰化植物で特に湯浅氏がその前の章「危険なランタナ」で警鐘をならしている「ランタナ」について、特に日本でもその脅威が高いという意味で、以下に説明をします。

「危険なランタナ」の項目で、オーストラリアなどの海外でその侵入の危険性が取りざたされていることが述べられているランタナ
日本での脅威は、湯浅氏によって、以下のように解説されています。

<転載部分>

前項であげた史前帰化植物、あるいは明治以降にもたらされた帰化植物というのは、そのほとんどが明るい場所で育つ植物です。したがって、日本の薄暗い森の中には入れませんでした。そして草本です。しかし、先ほど挙げたランタナは低木で、森の縁なら十分育ちます。

ランタナは、氷点下の寒さには弱いんですが、近年は暖冬なので、東京でも野外でも越冬します。寒さで上のほうが痛んでも、根際が残ったりします。2012年の冬は何十年ぶりの寒さになりましたが、ランタナは東京やその周辺では、地上部は枯れ死しても、地下で生き残り、復活しています。
神奈川県南部の大磯町では、十数年前からランタナが冬を越しています。

ランタナはきれいなひしさい黄色や橙色の花を咲かせます。七変化といったり、色が変わり、花のあとに、小さな丸い実をならせます。ヤツデの実のような、ちょっと青黒い実ですが、この実を鳥が好んで食べます。
鳥が食べて、それを遠くに運んで糞をすると、鳥の体内を通った種子というのは、果肉の発芽を阻害する物質が消化されて発芽しやすくなります。ですから日本の野外で繁殖するおそれがあると私は危惧しています。
ランタナが広がってしまうt、棘があるし、退治するもの大変なことになります。
これは大いに警戒しなければならない帰化植物ではないかと思っております。

<転載、以上>

そして、人間による栽培植物についての注意点を以下のようにまとめています。

<転載部分>

栽培植物のほとんどは人の管理下でコントロールできています。
というよりは、人が手をかけないとうまく育たない。また、繁殖できないように改良された品種なのです。そのうえ果樹や野菜の一部、八重咲きの花など種子ができずに、挿し木や接木、また株分けなどの栄養繁殖をしている栽培植物は、帰化植物化する心配はありません。種子繁殖できても、熱帯が原産の栽培植物は日本の冬は寒すぎて越せません。
問題は、野外で冬が越せ、しかもたくさんの種子を作る植物です。
こうした特徴をもつ植物については、美しいからといってむやみに導入するのは避けないといけないでしょう。
どうしても育てたいなら、花後、早めに摘み取って、種子を作らせないようにする必要があります。


<転載、以上>

本サイト内の「花研究>クマツヅラ科」にあるランタナの情報は、こちらからご覧いただけます。

次の章では、もう一つの危険な帰化植物「モウソウチク」についての章をご紹介します。

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