<Wikipediaより、転載>
シデ(四手、椣)は、カバノキ科クマシデ属(Carpinus)の落葉高木の総称
木は比較的小さく、材木は比較的硬い (Hardwood) 。多くの植物学者がカバノキ科 Betulaceaeに分類しているが、ハシバミ属、アサダ属と合わせてハシバミ科として扱う学者もいる。
北半球の温暖な気候で育つ30?40種が知られており、東アジア、とりわけ中国に多い。ヨーロッパで2種、北アメリカ東部で1種が知られている。
<特徴>
葉には落葉性があり、葉脈は規則正しく交互に伸びており、長さ3〜10センチメートルである。花は風媒花で、付き方は尾状花序になっており、春に咲く。雄花と雌花は別の尾状花序となるが、同じ木に両方できる雌雄同株である。実は長さ3〜6ミリメートルのナッツ状であり、苞がわずかに非対称形の翼になっている。このため、落下する時に風を受けて周囲に広がりやすい。この翼の形でシデの種類を見分けることができる。翼の形は分け方にもよるが10〜30タイプに区別できる。
シデの木は別名 iron-wood(鉄の木)の通り、非常に堅いので、木材として用いるのは難しく、あまり使われていない。ただし、特に堅い材料を必要とする切断台、工具の柄、車軸などに使われることもある。フローリングに使われることもある。
シデはチョウ目の幼虫の食料としても重要であり、アキナミシャク (Autumnal Moth) 、キバラヒメアオシャク (Common Emerald) 、カバエダシャク (Feathered Thorn) 、Svensson's Copper Underwing、ナミスジフユナミシャク (Winter Moth) などがセイヨウシデで見つかっており、ツツミノガ科 Coleophora属のColeophora currucipennellaやColeophora ostryaeもこれを食する。
<名称>
【和名】
和名のシデは、尾状花序となっている花の付き方が、注連縄などに付ける四手に似ているからである。
【中国名】
中国では「鵝耳櫪」と称する。
【英名】
英語の「hornbeam」は動物の角に似た硬い枝と、木を意味する古英語「beam」に由来する。
アメリカシデはblue-beech, ironwood, musclewoodなどとも呼ばれる。blue-beechはアメリカンビーチ (American Beech) と似ていることから、後の2つは硬いこと、枝が筋肉のように見えることから付けられている。学名 Carpinusはセイヨウシデのラテン語名に由来する。
<品種>
下記に主な種を記載する。
■Carpinus betulus セイヨウシデ - ヨーロッパではほとんどの国に自生するが、アイルランド、北部ブリテン、スカンジナビアには見られない。木の大きさは小型から中型程度で、普通は10〜20メートルくらい、高いものは30メートルぐらいになる。葉の大きさは5〜9センチメートル、種の大きさは3本の翼を含めて3〜4センチメートルである。
■Carpinus caroliniana アメリカシデ - 北アメリカの種で、葉の形や大きさはセイヨウシデに似ている。種の形も似ているが、翼はさほど大きくない。幹や大枝は伸びる方向に筋が付いていることから、盛り上がった筋肉を思わせる。木の皮は青っぽい灰色でツルツルとしており、その点はアメリカンビーチ (American Beech) に似ているが、きめが細かい。iron-woodとも呼ばれるが、この名はOstrya virginianaの異名でもあり、日本の材木でアイアンウッドと呼ばれているのもOstrya virginianaである。
■Carpinus cordata サワシバ - 日本に分布。
Carpinus cordata var. chinensis ビロードサワシバ
Carpinus cordata var. pseudojaponica オオサワシバ
■Carpinus eximia オオイヌシデ
■Carpinus fargesii Farges' Hornbeam
■Carpinus hebestroma タロコシデ
■Carpinus japonica クマシデ - Japanese Hornbeam。日本に分布。Oriental Hornbeamに似ているが、葉が8〜10センチメートルと大きい。
Carpinus japonica var. cordifolia オオクマシデ
■Carpinus kawakamii アリサンシデ
■Carpinus laxiflora アカシデ - 日本に分布。
Carpinus laxiflora f. pendula シダレアカシデ
■Carpinus orientalis Oriental Hornbeam - ヨーロッパ南東からアジア南西原産で、セイヨウシデよりも乾燥していて高度が低い場所を好む。高さは10メートルほどの低木である。葉も長さ3〜5センチメートルと小さい。種の翼は1本だけであり、長さ約2センチメートルである。
■Carpinus putoensis - 中国固有種。1930年に中国浙江省の舟山群島の普陀山で発見された。1株しか見つかっておらず、中国で国家一級保護絶滅危惧種に指定されている。
■Carpinus rankanensis ランカンシデ
■Carpinus tschonoskii イヌシデ - 日本に分布。
Carpinus tschonoskii f. pendula シダレイヌシデ
■Carpinus turczaninovii イワシデ - 日本に分布。
Carpinus turczaninovii var. coreana チョウセンイワシデ
<転載、以上>
スペイン名:lechillo
出典:USDA Forest Service Northeastern Area、サイトは、こちらから。
USDAのPlants Databaseのアメリカシデの情報は、こちらから。
シデ(四手、椣)は、カバノキ科クマシデ属(Carpinus)の落葉高木の総称
木は比較的小さく、材木は比較的硬い (Hardwood) 。多くの植物学者がカバノキ科 Betulaceaeに分類しているが、ハシバミ属、アサダ属と合わせてハシバミ科として扱う学者もいる。
北半球の温暖な気候で育つ30?40種が知られており、東アジア、とりわけ中国に多い。ヨーロッパで2種、北アメリカ東部で1種が知られている。
<特徴>
葉には落葉性があり、葉脈は規則正しく交互に伸びており、長さ3〜10センチメートルである。花は風媒花で、付き方は尾状花序になっており、春に咲く。雄花と雌花は別の尾状花序となるが、同じ木に両方できる雌雄同株である。実は長さ3〜6ミリメートルのナッツ状であり、苞がわずかに非対称形の翼になっている。このため、落下する時に風を受けて周囲に広がりやすい。この翼の形でシデの種類を見分けることができる。翼の形は分け方にもよるが10〜30タイプに区別できる。
シデの木は別名 iron-wood(鉄の木)の通り、非常に堅いので、木材として用いるのは難しく、あまり使われていない。ただし、特に堅い材料を必要とする切断台、工具の柄、車軸などに使われることもある。フローリングに使われることもある。
シデはチョウ目の幼虫の食料としても重要であり、アキナミシャク (Autumnal Moth) 、キバラヒメアオシャク (Common Emerald) 、カバエダシャク (Feathered Thorn) 、Svensson's Copper Underwing、ナミスジフユナミシャク (Winter Moth) などがセイヨウシデで見つかっており、ツツミノガ科 Coleophora属のColeophora currucipennellaやColeophora ostryaeもこれを食する。
<名称>
【和名】
和名のシデは、尾状花序となっている花の付き方が、注連縄などに付ける四手に似ているからである。
【中国名】
中国では「鵝耳櫪」と称する。
【英名】
英語の「hornbeam」は動物の角に似た硬い枝と、木を意味する古英語「beam」に由来する。
アメリカシデはblue-beech, ironwood, musclewoodなどとも呼ばれる。blue-beechはアメリカンビーチ (American Beech) と似ていることから、後の2つは硬いこと、枝が筋肉のように見えることから付けられている。学名 Carpinusはセイヨウシデのラテン語名に由来する。
<品種>
下記に主な種を記載する。
■Carpinus betulus セイヨウシデ - ヨーロッパではほとんどの国に自生するが、アイルランド、北部ブリテン、スカンジナビアには見られない。木の大きさは小型から中型程度で、普通は10〜20メートルくらい、高いものは30メートルぐらいになる。葉の大きさは5〜9センチメートル、種の大きさは3本の翼を含めて3〜4センチメートルである。
■Carpinus caroliniana アメリカシデ - 北アメリカの種で、葉の形や大きさはセイヨウシデに似ている。種の形も似ているが、翼はさほど大きくない。幹や大枝は伸びる方向に筋が付いていることから、盛り上がった筋肉を思わせる。木の皮は青っぽい灰色でツルツルとしており、その点はアメリカンビーチ (American Beech) に似ているが、きめが細かい。iron-woodとも呼ばれるが、この名はOstrya virginianaの異名でもあり、日本の材木でアイアンウッドと呼ばれているのもOstrya virginianaである。
■Carpinus cordata サワシバ - 日本に分布。
Carpinus cordata var. chinensis ビロードサワシバ
Carpinus cordata var. pseudojaponica オオサワシバ
■Carpinus eximia オオイヌシデ
■Carpinus fargesii Farges' Hornbeam
■Carpinus hebestroma タロコシデ
■Carpinus japonica クマシデ - Japanese Hornbeam。日本に分布。Oriental Hornbeamに似ているが、葉が8〜10センチメートルと大きい。
Carpinus japonica var. cordifolia オオクマシデ
■Carpinus kawakamii アリサンシデ
■Carpinus laxiflora アカシデ - 日本に分布。
Carpinus laxiflora f. pendula シダレアカシデ
■Carpinus orientalis Oriental Hornbeam - ヨーロッパ南東からアジア南西原産で、セイヨウシデよりも乾燥していて高度が低い場所を好む。高さは10メートルほどの低木である。葉も長さ3〜5センチメートルと小さい。種の翼は1本だけであり、長さ約2センチメートルである。
■Carpinus putoensis - 中国固有種。1930年に中国浙江省の舟山群島の普陀山で発見された。1株しか見つかっておらず、中国で国家一級保護絶滅危惧種に指定されている。
■Carpinus rankanensis ランカンシデ
■Carpinus tschonoskii イヌシデ - 日本に分布。
Carpinus tschonoskii f. pendula シダレイヌシデ
■Carpinus turczaninovii イワシデ - 日本に分布。
Carpinus turczaninovii var. coreana チョウセンイワシデ
<転載、以上>
スペイン名:lechillo
出典:USDA Forest Service Northeastern Area、サイトは、こちらから。
USDAのPlants Databaseのアメリカシデの情報は、こちらから。
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