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<環境庁の植生データ1988年第3回調査データより、転載>

【植生マップデータ】


【凡例】



<転載、以上>

【分析】

●島全域としては、ヤブツバキクラス域自然植生で、縞の山間部は、「ケヤキ群落」で海岸沿岸は、「マサキートベラ群集」のようです。
一部にヤブツバキクラスの代償植生としての「コバノミツバツツジーアカマツ群集」がみられ、特産の果樹の植生が「常緑果樹園」域として、広がっているのが解ります。

それぞれの、群落や群集の詳細特徴を同調査報告書より、以下にご紹介します。


<第3回植生調査報告書1988年より、部分転載>

(b)内陸側の植生

ケヤキ群落ー


長門峡など各地の渓流沿には、カヤキーイロハモミジ群集が普通に見られるが、山地の斜面にも出現することがある(鹿野町金峰山、海抜600m)。また、ブナ帯に接する上限ではケヤキーオニイダヤ群落がみられる(十種ヶ峰、海抜780m)。低地の不安定な岩塊堆積立地にはエノキームクノキ群落が形成される(上関町祝島、海抜60m、萩市笠山、海抜20m)。

(c)海岸側の植生

マサキートベラ群集ー


日本海岸、瀬戸内海岸の全域において海岸斜面や崖地にみられる。強風の場所では風衝低木林となる。上層にクロマツがあるのが普通で、海岸沿のクロマツ群落は本群集に属する。

(4)ヤブツバキクラス域代償植生

コバノミツバツツジーアカマツ群集ー


沿岸部から内陸のヤブツバキクラス行きの上限まで広く分布し、瀬戸内側の花崗岩地にとくに多い。日本海側では海岸斜面から尾根を越えた内陸部に現れるのに対し、瀬戸内側では海岸に接して現れる所が多い。マサキートベラ群集と接する所ではアカマツとクロマツの混合群落が生じており、またアイグロマツ群落が形成された所もある(光市峨麻嵋山)。
最近マツクイムシによりアカマツが全滅した林が拡がっており瀬戸内側では特に著しい。このような林では下生にコバノミツバツツジが生育し、アカマツの苗が存在する限り本群集に入れた。

<転載、以上>
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