<ガーデ二ング花図鑑より、転載>

【栽培の特徴】

花ガラを摘む

花が傷んできたら、花ガラを摘んで下さい。花が終わると種子をつくろうと栄養をまわし、次のつぼみが咲きづらくなります。花ガラを摘むと次の花が咲きやすくなりますので、必ず摘んで下さい。

育てやすい植物ですが
球根を植えれば、育ちますし、枯れることは少ないのですが、毎年キレイに、となると連作障害おきるために若干大変です。

【水やりと肥料】

土が乾いて居たら水をしっかりとやります。テッポウユリは夏に開花しますが、この開花時期に水が切れると花がすぐにしぼんでしまうので、水が切れないようにしましょう。

球根なのに乾燥に弱い

テッポウユリは過湿過ぎるのもダメなのですが、球根なのに乾燥に弱いです。水が切れないように気をつけてください。とくに地上部が無い時期も乾燥すると枯れてしまいますので、鉢植えの場合は、水を忘れないようにしましょう。

庭植えなら水はほぼ不要

庭植えにして一旦根付いてしまえば、降雨だけで十分です。ただし、あまりに日照りが続くようならば水をやってください。

【植え付け・植えかえ・種蒔き】

用土は水はけよく

市販されている花と野菜の土に川砂を一割ほど混ぜて水はけよくしたもので植え付けをします。テッポウユリは連作障害を起こしますので、昨年と同じ土に植えたり、何年も同じ場所に植えつけたりしないでください。

掘り上げない

よく球根の植物は休眠期に掘り上げて別途保管しておくことが多いのですが、テッポウユリの球根は乾燥に弱く、掘り上げて保管していると乾燥で枯れてしまいます。どうしても掘り上げて保管する必要があるときは、湿らせたバーミキュライトに埋めて管理するなどして、乾燥しないようにします。

【管理場所・日当たり】

日当たりを好みますので、日当たりで管理して下さい。しかし、真夏に地下が高温になるとテッポウユリが弱ってしまいます。真夏は半日陰や日陰に移動させるか、ヨシズなどで日陰を作ってやるか、それが出来なければ、株元に腐葉土をかぶせて温度の上昇を防ぎます。

株元に腐葉土は他にも利点が

腐葉土をしくことで地下の温度上昇を抑えられます。それ以外に雨によるドロ跳ねを防ぐことが出来ます。雨による跳ね返りは病気を悪化させやすいです。また、水の蒸発も防ぎます。テッポウユリの球根は乾燥に弱く蒸発を防いで適湿に保ちます。

【テッポウユリとウィルス病】

テッポウユリはウィルス病に掛かっている

市販されているテッポウユリはほぼ全てウィルス病に掛かっています。このウィルス病は指し当たって問題を起こさないのですが、他のウィルスに感染したユリ科植物の汁を吸ったアブラムシが、テッポウユリにやってくると、ウィルスが突然に症状(バイラス病・モザイク病)を表し始めます。

予防はオルトランとアブラムシ見つけ次第薬殺

オルトランを前もって根本に撒いておいてアブラムシを予防します。それが間に合わない場合は、アブラムシを見つけ次第薬殺します。

【特徴・由来・伝承】

台湾の固有種。日本には鎌倉時代などに渡来。日本の森林に自生しています。ところがテッポウユリの仲間は連作障害を起こし、同じ場所に長く群生することが出来ず、種を風に飛ばして、別の場所へと移動する。
明治以降球根が大量に輸出されたこと、開発によってテッポウユリの適した環境が減ったことと、テッポウユリ自身のそういった性質もあって、自生している地域でも数が減り、レッドデータブックに載る種類も多い。

切花として日本でもヨーロッパでもその他地域でも冠婚葬祭に飾られます。

明治維新後、テッポウユリなどのユリ類の球根がガーデニングブームに沸くヨーロッパに輸出されました。輸出のうち、球根が15%前後を占めていたわけですが、よく考えると、一度輸出してしまえば、栽培して増えるハズですから、輸出量は減りそうですが、なかなか減りませんでした。その理由に、このユリの「連作障害」があったのではないかと思います。実際、ユリを輸出してしばらくすると、ヨーロッパの園芸雑誌に「ユリの球根が二年目以降咲かない」という投書があったのです。一般にユリ科は連作障害を起こさないとされていますので、この連作障害が日本の明治以降の発展のいくらかを助けていたのではないでしょうか?

<転載、以上>

<やさしいエンゲイより、ユリの栽培カレンダーを以下に転載>



<転載、以上>
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