【文部科学省の社会教育の指針に見る「高齢者の特性」についての記述を分析し、その方向性を見出す】
前出の文部科学省の社会教育への指針で「高齢者」の部分を以下に再度、取り上げてみます。
<転載部分>
○ 高齢期は、定年退職等により、仕事中心の「タテ社会」での生活から家庭や地域社会中心のいわば「ヨコ社会」の生活へと新たなライフスタイルへの変更が求められる時期であり、健康で生きがいのある生活と社会との関わりが求められる一方で、人によっては、加齢に伴う心身機能の衰えや介護の問題、家庭や地域からの孤立など様々な問題が表面化してくる時期でもある。特に、男性高齢者については、一人暮らしによる孤立化など社会的自立が問題となってくることが多い。
一方、女性高齢者については、高齢期に達する以前の就業経験が少ない場合も多いため、相対的貧困率は女性の高齢単身世帯で高く、高齢女性の生活保護受給者も多い等、経済的自立が課題となる。
○ 高齢期における生活状況は、若い時期からの働き方や家族や地域との関わり方、能力開発、生活習慣等の蓄積に負う面が大きく、これまでの人生における社会的経験や知識を活かし、男女差にも配慮したきめ細かな生涯学習の推進が必要である。
○ この時期では、職業能力開発の機会の提供や就業相談などを推進し、多様な働き方の整備を通じて、経済的自立を図るとともに、それまでの人生で培ってきた知識・経験をもとに、積極的にボランティア活動などの社会貢献活動や地域活動に参画し、学びと実践を繰り返しつつ、自己実現、生きがいの創出を図っていくことが必要である。また、特に、これまで地域との関わりを持たなかった者については、役職や肩書きによらない対等なコミュニケーション方法についての学びも重要である。
<転載、以上>
以上の内容を以下により解りやすくまとめてみました。
簡単にまとめれば、先ず
1)色々な経験をしてきているお年寄りだから、それぞれにあったきめ細かい教育プログラムを施しなさい。→多様な学習プログラム作り
2)経済的自立や社会的に役立つような(ボランティアなど)活動をさせなさい→自分でお金を稼ぎ、他に頼らないボランティア活動などもするお年寄りを目指せるような環境づくりをしなさい
3)その中で自己実現や生きがい創出(高齢者のアイデンティティの確立)をさせなさい。→高齢者のエゴ・アイデンティティを自ら探させなさい
4)それまでに地域コミュニティに参加できなかったようなお年寄りは、それまでの勤めてきた企業でのカンパニー・アイデンティティなどを忘れさせ、一から地域社会でのアイデンティティづくりを目指すように促しなさい→いままで多くの大人を地域コミュニティに参加させるようにできなかったので、そうしたお年寄りに初歩から、地域コミュニティへの参加の仕方を教える工夫をしてください。
ということのようです。
現在の各自治体の生涯教育プログラムは、正にこのような国の指針で進めるように指導されています。
これらのプログラムは、現状の地域の高齢者課題を読み込んでいるわけではありません。「一般的に高齢者はこうした傾向にある」程度の理解の上に成り立たせている指針なのです。重要なのは、こうした指針で実施されているプログラムや生涯教育の現状とその課題を読み込むことなのです。次の章では、こうした指針と照らし合わせて、現実の課題を発見し、その解決の方向性を導き出していきます。
前出の文部科学省の社会教育への指針で「高齢者」の部分を以下に再度、取り上げてみます。
<転載部分>
○ 高齢期は、定年退職等により、仕事中心の「タテ社会」での生活から家庭や地域社会中心のいわば「ヨコ社会」の生活へと新たなライフスタイルへの変更が求められる時期であり、健康で生きがいのある生活と社会との関わりが求められる一方で、人によっては、加齢に伴う心身機能の衰えや介護の問題、家庭や地域からの孤立など様々な問題が表面化してくる時期でもある。特に、男性高齢者については、一人暮らしによる孤立化など社会的自立が問題となってくることが多い。
一方、女性高齢者については、高齢期に達する以前の就業経験が少ない場合も多いため、相対的貧困率は女性の高齢単身世帯で高く、高齢女性の生活保護受給者も多い等、経済的自立が課題となる。
○ 高齢期における生活状況は、若い時期からの働き方や家族や地域との関わり方、能力開発、生活習慣等の蓄積に負う面が大きく、これまでの人生における社会的経験や知識を活かし、男女差にも配慮したきめ細かな生涯学習の推進が必要である。
○ この時期では、職業能力開発の機会の提供や就業相談などを推進し、多様な働き方の整備を通じて、経済的自立を図るとともに、それまでの人生で培ってきた知識・経験をもとに、積極的にボランティア活動などの社会貢献活動や地域活動に参画し、学びと実践を繰り返しつつ、自己実現、生きがいの創出を図っていくことが必要である。また、特に、これまで地域との関わりを持たなかった者については、役職や肩書きによらない対等なコミュニケーション方法についての学びも重要である。
<転載、以上>
以上の内容を以下により解りやすくまとめてみました。
簡単にまとめれば、先ず
1)色々な経験をしてきているお年寄りだから、それぞれにあったきめ細かい教育プログラムを施しなさい。→多様な学習プログラム作り
2)経済的自立や社会的に役立つような(ボランティアなど)活動をさせなさい→自分でお金を稼ぎ、他に頼らないボランティア活動などもするお年寄りを目指せるような環境づくりをしなさい
3)その中で自己実現や生きがい創出(高齢者のアイデンティティの確立)をさせなさい。→高齢者のエゴ・アイデンティティを自ら探させなさい
4)それまでに地域コミュニティに参加できなかったようなお年寄りは、それまでの勤めてきた企業でのカンパニー・アイデンティティなどを忘れさせ、一から地域社会でのアイデンティティづくりを目指すように促しなさい→いままで多くの大人を地域コミュニティに参加させるようにできなかったので、そうしたお年寄りに初歩から、地域コミュニティへの参加の仕方を教える工夫をしてください。
ということのようです。
現在の各自治体の生涯教育プログラムは、正にこのような国の指針で進めるように指導されています。
これらのプログラムは、現状の地域の高齢者課題を読み込んでいるわけではありません。「一般的に高齢者はこうした傾向にある」程度の理解の上に成り立たせている指針なのです。重要なのは、こうした指針で実施されているプログラムや生涯教育の現状とその課題を読み込むことなのです。次の章では、こうした指針と照らし合わせて、現実の課題を発見し、その解決の方向性を導き出していきます。
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