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このサイトの飾る花を知るための「供花」コーナーにある平安時代の供花についての記述をご覧いただきましょう。

ここでは、「栄華物語」で当時の仏道の権威者道長の仕立てた供花に桔梗(きちかう)が「唐撫子」と一緒に登場します。

この記述部分は、こちらをご覧ください。

中国から渡来した仏教文化としての「供花」。平安時代には、桔梗もそうした花として理解されていたのでしょうか?
前出の万葉集の山上憶良同様に「桔梗=きちかう」は、「唐撫子」と並べられていることからも中国からの花としての意識があったように思われます。

ただ、実際に飾られるときは、中国から移植された撫子であったかどうかはわかりません。唐撫子の変わりに日本に原生していた撫子(カワラナデシコ=大和撫子)を使っていたのかもしれません。ただ、供花としては、唐撫子=石竹である必要があったのでしょう。


【唐撫子とは】
石花(セキチク)の和名です。唐撫子は、平安時代に中国から伝来したことでこの呼び名で呼ばれていました。ナデシコ科品種で、中国に植生するこの品種の学名は、「Dianthus chinensis L.」です。ただ、日本のみ原生している日本の固有種は、ヒメハマナデシコとシナノナデシコの2種です。この他にカワラナデシコとハマナデシコが日本には原生しています。

<品種詳細:Wikipediaより>

1)カワラナデシコ (D. superbus L. var. longicalycinus (Maxim.) Williams)
カワラナデシコには、ナデシコ、ヤマトナデシコの異名もある。これはセキチク(石花、D. chinensis L.) を古くは唐撫子(カラナデシコ)といったことに対する。ナデシコは古くは常夏(とこなつ)ともいった。これは花期が夏から秋に渡ることにちなむ。

2)エゾカワラナデシコ (D. superbus L. var. superbus)
カワラナデシコの基変種で、本州中部以北の日本を含むユーラシアの中北部に分布する。

3)タカネナデシコ (D. superbus L. var. speciosus Reichb.)
高山に分布し、本州中部以北と北海道の高山帯及びヨーロッパ、中国(東北)及び朝鮮に分布する。

4)ヒメハマナデシコ (D. kiusianus Makino)
九州、沖縄及び本州と四国の一部に分布する。

5)ハマナデシコ (D. japonicus Thunb.)
本州以西の日本と中国に分布する。別名フジナデシコ。

6)シナノナデシコ (D. shinanensis (Yatabe) Makino)
本州中部に分布する。別名ミヤマナデシコ。
花の色は紅から淡いピンク色が多いが、園芸品種などでは白色や紅白に咲き分けるものなどもある。

ナデシコ属の園芸品種をダイアンサス (Dianthus) ということがあるが、本来はナデシコ属の学名である。また、カーネーション (D. caryophyllus L.) もナデシコ属である。

<転載、以上>
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