<Wikipediaより、転載>

ウド(独活、Aralia cordata)は、ウコギ科タラノキ属の多年草。香りが強く、山菜として好まれる。季語、晩春。

【特徴】
夏に小さな白い花をたくさん付け、秋に直径3mmほどの黒色の液果となる。一果中に3-5個のゴマ状の種子をもつ。高さは約2-3mに成長し、「ウドの大木」という慣用句もあるが、木ではない。春・初夏(ゴールデンウィーク頃)に芽吹いた小さな頃には山菜として利用できるが、大きくなると食用にも木材にも適さないことから例えとされたと言われている。だが、実際の所は夏ごろまで「若葉」や「つぼみ」も山菜として採取できる。

【利用】

<食用>
若葉、つぼみ、芽および茎の部分を食用とする。つぼみや茎は採取期間が短いが、若葉はある程度長期間に渡って採取することができる。林の際など日当たりのよい場所か半日陰の傾斜地などに自生するが、スーパーなどで見られる白いものは軟白栽培(日の当たらない地下で株に土を盛り暗闇の中で栽培する方法)によるものでモヤシのように茎を白く伸ばして出荷する。
料理の分野では前者を山ウド、後者を白ウドと呼び区別することが多い。後者は立川市を中心とした東京都多摩地域の特産品(東京うど)である。
山ウドはややアクが強く、山菜として葉や先端を天ぷらなどにする他、ぬた、茹でたものを酢味噌和え、味噌汁の実とする。白ウドは前記の他、酢水でアク抜きをして煮浸しやサラダとしても食べられる。また、皮も柔らかく、短冊切りにしてキンピラにすると美味しいため、白ウドは捨てるところがほとんどない。
一ヶ所から数本のウドの大木が生えている場合は、1本は切り倒してよい。茎の硬い皮を削ぎ取ると芯の部分はセロリのように美味である。ここまで大きくなると生のままでもほとんどアクがなく、雑味もない。また、先端の部分はまだ柔らかいので、若葉や花芽がまだ出ていないものは摘んで天婦羅にできる。ただ、食物アレルギーがあるので、食べる際注意が必要。

【薬用】

根は独活(どくかつ、どっかつ)と呼ばれ、薬用にもなる。また、アイヌ民族はウドを「チマ・キナ」(かさぶたの草)と呼び、根をすり潰したものを打ち身の湿布薬に用いていた。ちなみにアイヌにとってウドはあくまでも薬草であり、茎や葉が食用になることは知られていなかった。

【ウドの名前をもつ他の植物】

ハマウド(オニウドとも呼ばれる)、シシウド、ハナウド、オオハナウド - これらはセリ科に属する

ウドノキ - オシロイバナ科ウドノキ属


【慣用句】

ウドの大木:前述の通り、ウドは2-3メートルの大きさに育つが、育った頃には食用にも木材にも適さないということから、転じて「図体はでかいが中身が伴わず、役に立たないもの」のたとえ。ただし、前述したようにウドは樹木ではなく、草本の一種である。


セリ目 Apiales
ウコギ科 Araliaceae
タラノキ属 Aralia
ウド A. cordata

<学名>
Aralia cordata Thunb. (1784)

<シノニム>
A. taiwaniana Y.C.Liu et F.Y.Lu (1976)
A. cordata Thunb. f. biternata Nakai (1953)

<和名>
ウド

<英名>
oudo,spikenard,udo

<植物画:シーボルト『日本植物誌』掲載>


<転載、以上>

◆ウドの花◆
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ウド(Aralia cordata)