<やさしいエンゲイより、転載>

【栽培カレンダー】


季節・日常の手入れ

<刈り込み剪定>

芽吹く力が強く、刈り込んで生垣に広く利用されています。剪定は伸びすぎた枝を切って樹形を整える「刈り込み剪定」が基本となります。
新葉を長く楽しむことがポイント
カナメモチは紅く色づいた新葉が最も鑑賞価値の高いポイントで、いつ頃に刈り込みを行ったらその美しい新葉を長期間楽しめるかを念頭において作業時期を決めます。作業は初夏と秋の年2回が基準となり、ここでは主に関東平地でのベニカナメを基準に説明いたします。

<初夏の剪定>

春に暖かくなり伸びてきた紅い新葉は初夏には生長して緑色に変わります。ちょうどその頃、5月下旬-6月中旬が刈り込みの適期です。

<秋の剪定>

初夏に剪定を行ったあと、新しく芽が吹いて紅い新葉を開き、真夏には緑色に変わります。ここであわてて刈り込みをすると秋口には新芽が伸びてきて、晩秋には緑色に変わってしまいます。
秋口の新葉の赤も非常に美しく、夏は刈り込みの時期としては何の問題もなくむしろ標準とも言えますが、冬の期間も紅い葉を楽しみたい場合は9月中旬頃に刈り込みを行うと10月半ばに新芽が伸び始め、寒さがくる前にある程度葉も厚く丈夫になります。やや色はあせますが、紅い状態の葉が冬の間も残って楽しませてくれます。ただし、作業の時期が遅くなると新葉が丈夫になる前に寒さが来てしまい、新芽ごと枯れてしまうことがあるのでタイミングの難しい作業です。よくわからない場合は夏の剪定が無難とも言えます。

<刈り込みの注意点>

太い枝を思い切り短く切り落としてしまうと枝枯れを起こしやすいので気をつけましょう。基本の刈り込みは年2回ですが、一度にばっさりといくのではなく、ひんぱんに軽く刈り込むようにするのがコツです。
紅色の新葉を念頭に考える場合はベニカナメやレッドロビンなどの品種を選びます。

日当たり・置き場所

日当たりの良い場所が適しています。明るい日陰でも生育しますが日照不足になると新葉が紅くなりません。耐寒性はやや劣り、植栽適地は東北南部より西です。

水やり・肥料

肥料は2月-3月に油かすや化成肥料を株元に施します。肥料の窒素分が多いと新葉の色が鈍ることがあります。

用土

水はけが良く、腐葉土などや堆肥のたっぷり入った肥沃な土壌が適しています。乾燥する場所は不向きです。

植え替え・植え付け

植え付けの適期は3月-4月、9月中旬-10月です。
根が粗くて細かい根もあまり出ず、一度植え付けたあとは植え替え・移植の難しい樹木です。植え付ける際は場所をよく考えましょう。

ふやし方

さし木でふやすことができます。
適期は夏7月-8月、本年伸びた若い枝を15cmほどに切り取って赤玉土や鹿沼土に挿します。

かかりやすい病害虫

病気:根頭がん腫 害虫:アブラムシ ハマキムシ テッポウムシ
根頭がん腫病は細菌による病気で、株元にコブができてそこに栄養がとられて生育が阻害され、ひどい場合には枯れてしまいます。残念ながら完全に直すのは難しいので症状が重い場合は処分します。
春先から秋にかけて新芽や茎に付き吸汁するアブラムシ、葉を食害するハマキムシ、幹を内部から食い荒らすテッポウムシ(カミキリムシの幼虫)などの害虫が見られます。発生が見られたらそれぞれにあった薬剤を用いて駆除します。

まとめ
 
刈り込み剪定は初夏と秋の年2回を基準に
紅い新葉をメインに楽しみたい場合はレッドロビンやベニカナメを選ぶ
日当たりの良い場所でよく育つ陽樹


<転載、以上>
プリンタ用画面
友達に伝える
投票数:18 平均点:3.33
前
カナメモチとは
カテゴリートップ
カナメモチ(Photinia glabra)