2015年度第3回学芸の森環境機構会議
学芸の森推進部門活動報告と計画試案
平成27年9月9日開催の環境機構会議提出用
＜前回の報告事項に対応して＞
1)正面・桜並木周辺植栽の調査の進捗報告：
■1月〜7月までの半年間
●自然科学系の真山教授の「私の植物」の植生データを参照し、並行して目視による調査を実施＜以下のアドレスにて、時系列を追って、こちらからご覧ください。＞
＜調査のまとめ＞
�〆�の状況：
＊環境報告書の桜並木調査以後に既に、腐食や樹勢が衰えている樹木は、伐採(根を残した切り株状態、ほとんどがヤマザクラ)が済んでいます。並木道の場所によってはかなり、桜の樹間が広がっている地域（西側連雀通り付近や、東側中央付近）があります。ほとんどは、サトザクラ、カスミザクラ、オオヤマザクラ(近年移植)です。
＊数年前に小金井桜の苗木を移植したもの(小金井の玉川上水の桜の関連苗によるヤマザクラとして移植)が数本、まだ、樹勢を保っている桜の足元にあります。同じ時期に小金井各所に移植された品種で、それらの樹木と比較しても、樹勢はそれほど、良くなく、未成熟で開花できるものはほとんどありません。
＊近年に植えた桜(オオヤマザクラ)でも、樹勢から、伐採されているものもあります。
＊全体にかなり大木のため、近隣住居の上に張り出して、それぞれの
庭や垣根などにも影響を及ぼしているので、近隣住民との調整や共同での景観管理が重要となります。
＊開花時と開花後には、花びら、実が道中に散乱して、その始末は、どうするのかを決めておく必要があります。
��各時期の並木の状況：
桜前：1〜3月＞素心蝋梅(ソシンロウバイ、中低木、2月)、馬酔木(アシビ、低木)とヒュウガミズキ(3月)などが連続的に開花しますが、計画的に剪定されておらず、樹勢もまちまちです。
桜後：4月〜5月＞主に最も品種が多く、占有面積の多い、約5種のツツジが咲きます。計画的に配置されていたものは、最も多い品種のオオムラサキツツジで全体の並木を囲む外側や真ん中の植栽を形成しています。その他の品種は数本がそれらとは別に無計画に数本単位で植栽されているようです。
また、囲まれた中に円形に選定されているのが、ビヨウヤナギとヒイラギモクセイですが、剪定が円い形を整える程度の方針で管理されているためか、どんどん占有面積が広がり、かなりの部分を占めるようになっています。その間にタチアオイ(まったく管理されていない移植状況)などの異なる品種が(これも無計画)移植されていますが、開花状態を見ても、全体の景観と無関係に移植されているようです。ヒイラギモクセイに至っては、害虫による被害が激しく(全樹木に広がっています)、このままでは、次年度も形だけ丸いが、みっともない姿をさらしそうです。
＊また、並木周辺の住居のヒイラギモクセイにも同じ害虫による被害傾向が見られ、協力して、管理していく必要があるように思われます。
■入口正門脇の植栽について：
赤松(形を整える剪定と樹勢を保ち、その姿を良くさせる工夫が必須)とタカサゴユリ(7月に開花するので、開花期以外の時期と開花期の景観を松とのバランスで調整することが必要)を基本形とし、その下にツツジが植栽されている、簡易な植栽で、下草や剪定の管理が不十分で、メインの植栽としては、それぞれの季節に応じた景観を計画されていない。年間を通しての正面の大学の顔としての植栽管理計画が必要である。
上記の詳細は、こちらから可能です。
2)大学資料などによる現状の植生への変遷を知る作業について
●真山教授にお願いして、真山教授の「私の植物」での調査概要(現在も授業で継続して、部分的に実施中)とそれ以前の1985年頃の調査資料(正面並木の植生調査は無し)を入手して、20年程度の植栽の変遷を比較中です。
■エリアごとに実施中。大掛かりな作業になるので、特定のエリアで比較して、整備していきたいと思っていますが、正面の並木が当初は、陸軍技術研究所によるものなので、大学史の資料中に関連文献を探せたらと考えています。
＊大学史資料室との交渉を具体的にしていきたいと思います。現状、資料室では、目録づくりが進められているようですが、正式に文献確認をできたらと思います。
3) ●正面桜並木コンセプト設計手法について
＊アイデンティティ設計には、この並木を共有する地域住民や周辺人々と関連した風土史発見が必須です。
＊その意味で、学内協力として、地理学、歴史学の教室、さらには小学校の社会科や生涯・社会教育部門の郷土教育に関連する教室との連携が望まれます。具体的には「小金井・貫井北町の地史、郷土理解」という課題への取り組みです。それは、正面並木をそうした地史との連携に位置づけ、最終的には学芸大学をこの地域との連携に導く、モデルとするものです。
＊こうした課題に取り組むために地域住民、町内会とのコミュニケーションが不可欠で、現在、広報課にお願いして、町内会の中心的な方々へのヒアリング(9月中)を計画しています。
その上で、環境地域連携部門の「学芸の森・守り人の会」設計とも調整して、地域住民のこうした連携モデルへの参加計画を立案、提案していく予定です。
4)並木の植生の今後について
基本的には、現在の樹種を守り、それらをより良く見せていくと同時に段階的に発展させていく手法を検討します。園芸文化アドバイザー(高坂)と地域の園芸家(候補選定中)にボランティア参加(作業実費や用具などは予算計上予定)いただいて、整備計画を立案、実施していく予定です。具体的には、以下の内容です。
＊各樹種ごとに病害虫への対策
＊各樹木の開花期間に合わせた学内への告知
＊周辺住民との交流会、植栽づくりセミナーなどの開催
＊全体景観と時期ごとの目標設定
＊2016年度の小金井の桜祭り時期に「桜並木のコンセプト発表と地域共生計画告知」を行う。
第一期の目標として、設定する(2015年の小金井桜祭り＜4月3〜5日に開催＞の情報は、こちらをご覧ください。)
環境評価部門や広報課と連携して、小金井にこの「学芸正面桜並木を愉しむ会」の運営を告知し、桜まつりへとつなげていきたいと思います。
＜以上＞
学芸の森推進部門活動報告と計画試案
平成27年9月9日開催の環境機構会議提出用
＜前回の報告事項に対応して＞
1)正面・桜並木周辺植栽の調査の進捗報告：
■1月〜7月までの半年間
●自然科学系の真山教授の「私の植物」の植生データを参照し、並行して目視による調査を実施＜以下のアドレスにて、時系列を追って、こちらからご覧ください。＞
＜調査のまとめ＞
�〆�の状況：
＊環境報告書の桜並木調査以後に既に、腐食や樹勢が衰えている樹木は、伐採(根を残した切り株状態、ほとんどがヤマザクラ)が済んでいます。並木道の場所によってはかなり、桜の樹間が広がっている地域（西側連雀通り付近や、東側中央付近）があります。ほとんどは、サトザクラ、カスミザクラ、オオヤマザクラ(近年移植)です。
＊数年前に小金井桜の苗木を移植したもの(小金井の玉川上水の桜の関連苗によるヤマザクラとして移植)が数本、まだ、樹勢を保っている桜の足元にあります。同じ時期に小金井各所に移植された品種で、それらの樹木と比較しても、樹勢はそれほど、良くなく、未成熟で開花できるものはほとんどありません。
＊近年に植えた桜(オオヤマザクラ)でも、樹勢から、伐採されているものもあります。
＊全体にかなり大木のため、近隣住居の上に張り出して、それぞれの
庭や垣根などにも影響を及ぼしているので、近隣住民との調整や共同での景観管理が重要となります。
＊開花時と開花後には、花びら、実が道中に散乱して、その始末は、どうするのかを決めておく必要があります。
��各時期の並木の状況：
桜前：1〜3月＞素心蝋梅(ソシンロウバイ、中低木、2月)、馬酔木(アシビ、低木)とヒュウガミズキ(3月)などが連続的に開花しますが、計画的に剪定されておらず、樹勢もまちまちです。
桜後：4月〜5月＞主に最も品種が多く、占有面積の多い、約5種のツツジが咲きます。計画的に配置されていたものは、最も多い品種のオオムラサキツツジで全体の並木を囲む外側や真ん中の植栽を形成しています。その他の品種は数本がそれらとは別に無計画に数本単位で植栽されているようです。
また、囲まれた中に円形に選定されているのが、ビヨウヤナギとヒイラギモクセイですが、剪定が円い形を整える程度の方針で管理されているためか、どんどん占有面積が広がり、かなりの部分を占めるようになっています。その間にタチアオイ(まったく管理されていない移植状況)などの異なる品種が(これも無計画)移植されていますが、開花状態を見ても、全体の景観と無関係に移植されているようです。ヒイラギモクセイに至っては、害虫による被害が激しく(全樹木に広がっています)、このままでは、次年度も形だけ丸いが、みっともない姿をさらしそうです。
＊また、並木周辺の住居のヒイラギモクセイにも同じ害虫による被害傾向が見られ、協力して、管理していく必要があるように思われます。
■入口正門脇の植栽について：
赤松(形を整える剪定と樹勢を保ち、その姿を良くさせる工夫が必須)とタカサゴユリ(7月に開花するので、開花期以外の時期と開花期の景観を松とのバランスで調整することが必要)を基本形とし、その下にツツジが植栽されている、簡易な植栽で、下草や剪定の管理が不十分で、メインの植栽としては、それぞれの季節に応じた景観を計画されていない。年間を通しての正面の大学の顔としての植栽管理計画が必要である。
上記の詳細は、こちらから可能です。
2)大学資料などによる現状の植生への変遷を知る作業について
●真山教授にお願いして、真山教授の「私の植物」での調査概要(現在も授業で継続して、部分的に実施中)とそれ以前の1985年頃の調査資料(正面並木の植生調査は無し)を入手して、20年程度の植栽の変遷を比較中です。
■エリアごとに実施中。大掛かりな作業になるので、特定のエリアで比較して、整備していきたいと思っていますが、正面の並木が当初は、陸軍技術研究所によるものなので、大学史の資料中に関連文献を探せたらと考えています。
＊大学史資料室との交渉を具体的にしていきたいと思います。現状、資料室では、目録づくりが進められているようですが、正式に文献確認をできたらと思います。
3) ●正面桜並木コンセプト設計手法について
＊アイデンティティ設計には、この並木を共有する地域住民や周辺人々と関連した風土史発見が必須です。
＊その意味で、学内協力として、地理学、歴史学の教室、さらには小学校の社会科や生涯・社会教育部門の郷土教育に関連する教室との連携が望まれます。具体的には「小金井・貫井北町の地史、郷土理解」という課題への取り組みです。それは、正面並木をそうした地史との連携に位置づけ、最終的には学芸大学をこの地域との連携に導く、モデルとするものです。
＊こうした課題に取り組むために地域住民、町内会とのコミュニケーションが不可欠で、現在、広報課にお願いして、町内会の中心的な方々へのヒアリング(9月中)を計画しています。
その上で、環境地域連携部門の「学芸の森・守り人の会」設計とも調整して、地域住民のこうした連携モデルへの参加計画を立案、提案していく予定です。
4)並木の植生の今後について
基本的には、現在の樹種を守り、それらをより良く見せていくと同時に段階的に発展させていく手法を検討します。園芸文化アドバイザー(高坂)と地域の園芸家(候補選定中)にボランティア参加(作業実費や用具などは予算計上予定)いただいて、整備計画を立案、実施していく予定です。具体的には、以下の内容です。
＊各樹種ごとに病害虫への対策
＊各樹木の開花期間に合わせた学内への告知
＊周辺住民との交流会、植栽づくりセミナーなどの開催
＊全体景観と時期ごとの目標設定
＊2016年度の小金井の桜祭り時期に「桜並木のコンセプト発表と地域共生計画告知」を行う。
第一期の目標として、設定する(2015年の小金井桜祭り＜4月3〜5日に開催＞の情報は、こちらをご覧ください。)
環境評価部門や広報課と連携して、小金井にこの「学芸正面桜並木を愉しむ会」の運営を告知し、桜まつりへとつなげていきたいと思います。
＜以上＞
投票数:26
平均点:3.46
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