環境省の植生調査報告書と植生分布マップから

サイト内にある小金井の植生調査データの利用についてのこちらのコンテンツにあるように、環境省の植生調査報告書と植生分布マップを併用して、この学芸大学周辺のエリアの植生を調べてみました。

以下にその詳細を報告します。

【第3回植生調査報告書から】

この報告書は、1988年のものです。この報告書による「小金井」の植生については、本サイトのこちらのコンテンツでご覧いただけます。


小金井全域を対象とした内容なので、一応目を通して、まず、以下のその後におこなわれた植生調査による植生図データを学芸大学周辺に絞ってご覧いただいた上で、この地域に該当する植物群集を再度確認する意味でご覧いただくのが良いかもしれません。

【学芸大学周辺の地域の植生図データを調べる】

植生図データのダウンロードと読み方については、こちらでご覧いただけます。
この見方の例では、小金井の植生図データを「吉祥寺」エリア(貫井エリアを除く小金井エリア)に限って、利用する例を紹介しているので、学芸大学のある貫井町エリアは、見ることができません。

この項目では、以下に学芸大学周辺の植生図を切り取って、ご覧いただきます。

◆学芸大学周辺の植生図◆



<解説>

特定の植生群集に関しては、

(35)コナラークヌギ群集と(32)シラカシ屋敷林(66)竹林のみが周辺の一部地域に存在していることが解ります。
(35)は、大学近郊では、学芸大学の北西部の「情報通信機構」の敷地内、離れた場所(国分寺エリア)の「日立中央研究所」や「東京経済大学」の敷地内に見られる程度です。実は、この二か所は、以前は財界人の屋敷でした。豊かな植生はそのことに大きく関連しています。

(32)は、五日市街道の喜平橋より、西の街道の北側に線状に続いているのが解ります。

その意味では、大学内でなく、近郊周辺の観察では、以下の
(a)畑雑草群落、(b)水田雑草群落、(e)果樹園、(e1)茶畑、(f)路傍・空地雑草群落、(i)緑の多い住宅地、(p)残存・植栽樹木群をもった公園、墓地などを植生図に照らし合わせて、散策してみてください。

その際には、後述する「小金井市誌」に記述されている小金井の植物にある「田畑の植物」「宅地の植物」「玉川上水辺の分水畔の植物」などを記録しておいて、(a)(b)(e)(f)(i)のエリアを雑草、草本類を中心に散策するのが良いかもしれません。
もちろん、人為的な植栽もこの地域の住民がどんな樹木や草花を植栽しているのを知る、良い機会になるはずです。


実際には、小金井市誌の植物調査や植生図の植生調査からも、かなりの年月を経ているので、期待はできませんが、なんだかの収穫があると思われます。


<この項、了>

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