【開設当時の基本設計調査】

<施工業者の緑創、三上常夫氏よりの基本設計資料より、転載>

設計意図

日本庭園の設計計画にあたり、貴重な緑を活かし、既存緑地との違和感の無い庭とすることを強く意識し、計画しました。

(中略)

今回は、構内の既存植物・既存風景を重視し、回遊式とし、枯滝・枯流れの色々な景色を楽しめる庭としました。

枯滝・枯流れを景色校正の中心に置き、飛び石・延段で全体のつながりと景色の広がりを表現しています。
問題は現在の一面の雑草ですが、将来的に考えて、雑草を抑えることは無理と思えるので、草原の中の庭と考え、季節の野草(キキョウ、オミナエシ、アザミ、カワラナデシコ等)を追植して雑草と共に気持ちの良い空間にします。

<枯流れ>
滝口を含め三段の水落で立体感のある流れとし、途中に石橋と沢飛び石・州浜により流れの中に変化をつけ、流れの縁には景石を必要にして最少の石組みを施し、広さを優先した景色造りをし、気持ちの良い空間を構成したいと思います。
水の表現は栗石、または砂利敷きにより表現し、石の下には防草シートを敷き詰め、流れの中への雑草の侵入を防ぎ、流末には大雨に備え、透水ピットを設け、自然浸透により雨水を土に戻します。

<延段>
建物前の延段は、既存テラスと庭とのつながりを無理なくするためと、自然な移動を可能にします。

<移植・植栽>
既存樹木は極力移植して活かし、新植は数本の樹木と地被植物とします。


<転載、以上>

以下には、当初の設計提案図(緑創より提供)を転載します。ご覧ください。但し、実際の施工は、修正が入り、この提案図とは異なっています。テラス前の延段は、テラスが円形に張り出す形になったことで、無くなったり、入口横の目隠しとなる生垣も採用されていません。ご注意ください。

<日本庭園・提案図>


<上図の中央部拡大図>


また、この後に、西側の弓道場との間の植栽や庭園の東と北を囲う外壁として、生垣(四ツ目垣)、入口部分の目隠しとなる金閣寺垣などが第二期工事として、提案されていました。(実際に工事提案は採用されなかったようです。)
そのため、日本庭園は、周りから見通せる庭園となっています。参考に以下に第二期工事図面を転載して、ご紹介いたします。

◆第二期工事提案図面◆


<この項、続く>
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基本調査(日本庭園)