Step2)「教育の森」基本構想案の作成
現状の「学芸の森」という環境を学芸大学が本来もつアカデミーアイデンティティである「教育者育成」という課題に沿って「教育の森」として、立案構想する
●基本構想案づくりの考え方
現状の課題を踏まえ、従来からの学芸の森プロジェクト基本大綱からの発展を摸索する
学芸の森プロジェクト基本大綱とは、以下の5項目
1.構内各所において、四季折々に多様な植物の多様な状態が見られる自然環境の整備
さまざまな花、その香り、そして、若葉、実、紅葉など、人々の心に語りかける樹木や草花を構内全体に配置する。これらの植栽は多様な鳥や昆虫が学内で生きる環境作りにもつながるものである。
2.植栽のテーマゾーン設定と整備
従来、構内の通りや一部の地区は特定の樹木によってゾーニングされていた。しかし、これらの樹木の中には、老朽化や高木による日陰の影響により荒廃したものも見受けられる。新たなる植樹や高木の枝払いなどの整備を行うと共に、草花や低木の植栽により特徴ある地区を作り出す。
3.水辺環境の整備
水辺のある環境は、学芸の森をさらに豊かなものへ発展させる。構内には豊富な地下水脈も存在する。水の管理は容易いものではないが、叡智を集め水辺の環境整備を考える。
4.自然環境の教育的利用
構内の豊かな自然環境は教育的にも利用価値が高いものである。学内の人々や地域の住民が豊かな自然環境を理解できるよう、汎用性のある啓蒙的ガイドや教育プログラムを考える。
<以上>
【課題の発見】
1〜3までの大綱の項目は、プロジェクト開始以来、段階的に計画、実施されてきました。様々な樹木や草花が植栽され、それぞれのゾーンが誕生し、多彩な環境が誕生したのです。しかし、現状では、
どのゾーンも雑草が生い茂り、一部の花壇を除いては、手入れが行き届いていないのが現状です。原因は、作業のための予算でしょうか?
だとすれば、予算が突然、無くなれば、プロジェクトは終了ということになります。しかし、予算は突然なくなったわけではなく、徐々に減り今に至ったのです。
それよりもプロジェクトの当初から、参加していた学生や教員の活動自体が年とともに「引き継がれる」構造が無かったというのが本当でしょう。学生は卒業します。教員も自らの研究に関わるものでない限り、実績とその成果を継続的に継承することなどないのです。
伝統的なサークル活動などのように「継承され、深まり発展していく構造」をプロジェクト自体が持たず、世代を超えて、継承される仕組みを持ちえなかったことが原因なのです。このことは、環境機構会議自体についても言えることです。会議で何年間も推進されてきた様々なプロジェクトが継承されてこなかったようです。
そのこと自体が、この環境機構会議の構造的な課題でもあるようです。環境教育は、かろうじて「環境教育研究センター」という形でのみ継承されてきたようです。
その意味でも4の「自然環境の教育的利用」は、「環境教育」という特化された分野だけで、しかも「環境教育研究センター」という中だけで引き継がれてきたのです。
結果、学芸の森は、大学の職員組織活動という枠組みで以前からの施設課や総務部による植栽管理(樹木管理)業務という範囲の中で継続されてくることになったようです。樹木維持管理という範囲で整備維持されてきました。
地域住民参加という点では、「環境教育センターの利用」「公開講座としての環境教育プログラムへの学外からの参加活動」としてのみ、その実績と活動は細々と実施されてきたのです。
いうなれば、環境教育という題目は残り、学芸の森は、「多様な可能性を秘めた教育実践の場所」というアイデンティティ獲得への道ではなく、従来からの「環境教育のための一部機関での研究継続と大学の事務方が管理維持する大学構内の植栽管理活動への学生や教職員の部分的な参加」へと回帰したということになるでしょう
この課題の解決を目指すのが、「教育の森」構想です。
【「学芸の森」プロジェクトを“教育と地域連携”という視点で発展させる】
「学芸の森」を「教育の森=自然環境を理解するという環境教育という側面でなく、“教育のための素材としての森”と考えていきます。
さらには地域、風土の“知”の拠点として、地域とともに継承していく教育実践の場づくり」プロジェクトを提案していきます。
地域との連携の目的は、地域住民のもつ、風土時間(植栽の育成管理に欠かせない農業時間や風土として継承されてきた歴史時間)をプロジェクト自体に取り込み、森との共生を実現することです。
<教育の森構想図>
メインテーマは、【「学芸の森」を教育の実践学習のための森へ、さらには、地域、風土との共生を実現するために「小金井」という地域の「風土」教育の場へと育てる】としました。
【提案のフロー】
●企画の背景
1)大学の植栽の意味を考える
大学施設の植栽は、その植栽を計画、設計し、育成、管理運営してきた人々の思いと目的と小金井という地勢、植生が融合して生まれ、育まれてきた存在です。
だからこそ、意味があり、守り、育てていく価値を再認識していくという視点が重要なのです。
これからの「大学の森」を育成していく意味を再認識し、再構成していくことが、その学校ならではの環境・存在価値(学芸大学の場合は、“教育者の育成ための森”)を創り出していくことになっていきます。
2)「地域性」と「教育の殿堂」という2つのアカデミー・アイデンティティを内包した「学芸の森」(教育の森)アイデンティティを構築していく[/size]
●Academy Identityは「発掘」し、「発展」させるための「その教育機関の核となる価値」
アイデンティティ:その1)「地域と共生する」教育機関への方向性⇒A direction project>次の章へ
アイデンティティ:その2)「風土教育に携わる楽しさと素晴らしさを実践する」教育機関への方向性⇒B direction project>次の章へ
3)Academy Identity Projectの2つの方向性から、「学芸の森」を「教育の森」へと再編計画を立案する
【具体化へのプロジェクト試案】
●「地域との共生」「教育の魅力」の具体化プロジェクトを考える
〜小金井という「風土」を知ることから始まる「地域共生プロジェクト」〜
◆学芸の森◆から「発掘する」地域プロジェクトへの可能性
「植木の里」小金井との共生>学芸大学の植栽の現状と歴史と小金井全域の緑・庭園・公園と植栽の里・小金井の変遷を調べる>植木の里プロジェクト<第一期(2015〜2016年)を設計中>第一弾は、「学芸の森推進部門の正面桜並木プロジェクト」と連携した「小金井桜祭り」と連動した「2016桜守プロジェクト」を予定。小金井市、小金井住民との連携第一弾として、地域連携部分を担当する
◆生徒だけでなく、地域住民、職員、生徒の父兄保護者◆にとっての学芸の森づくりへ>サポーター(支援者)組織づくり<守り人の会設計⇒植木の里プロジェクトの推進母体へ>こちらをご覧ください。
●2015年「学芸の森・小金井・植栽の里」づくりプロジェクト
1)小金井市という既存の「市」という枠にとらわれない「小金井から発信する地域づくり会議=小金井・植栽の里」
◆小金井市・自治体向け提案書第一プロジェクト候補「企画政策課向け」は、こちらから。
◆第二プロジェクト広報は、小金井市・環境農政課への「緑サポーター養成機関」申請による教育機関として連携を摸索。詳細は、2016年度設計予定。
2)全国の模範となる「地域共生教育・風土教育」の実践へ
3)「人と風土との共生を考える人づくり、地域ネットワークづくり」プロジェクトへ>Webコミュニティづくりへ>若草研究室を地域NPOなどとのコミュニティスペースとして活用し、地域住民が恒常的に参加する「植栽講習拠点」とする活動へ
4)ネットワークの核となる学内の組織づくり>大学及び学生の組織づくりを考えるー>学内の倶楽部活動(園芸華道部、茶道部など)と連携した学内植栽整備活動やプレイパーク、子ども未来研究所や学生による福祉活動ボランティア組織などと連携した地域の子供、高齢者との連携を推進する
●第一弾:園芸華道部プロジェクトを設計する>こちらで具体案をご覧ください。
●第二弾:学芸の森・守り人の会(地域住民が主体となり、大学が支援する組織づくり)への学生、教員の「学校、生涯教育実践プログラム」として参加させる
<提案フロー以上>
【プロジェクト実施案】
●メインとなるプロジェクト●
トータルプロジェクト“学芸の森づくり=教育の森・小金井連”として、
第一弾「植栽の里・小金井」プロジェクト(地域住民、小金井市と農業・植木業者に提案)との連携を実現していきます。
環境創造地域連携推進部門では、順次、メインプロジェクトの具体化と展開案となる具体実施案をスケジュールとともに設計していきます。
現状の「学芸の森」という環境を学芸大学が本来もつアカデミーアイデンティティである「教育者育成」という課題に沿って「教育の森」として、立案構想する
●基本構想案づくりの考え方
現状の課題を踏まえ、従来からの学芸の森プロジェクト基本大綱からの発展を摸索する
学芸の森プロジェクト基本大綱とは、以下の5項目
1.構内各所において、四季折々に多様な植物の多様な状態が見られる自然環境の整備
さまざまな花、その香り、そして、若葉、実、紅葉など、人々の心に語りかける樹木や草花を構内全体に配置する。これらの植栽は多様な鳥や昆虫が学内で生きる環境作りにもつながるものである。
2.植栽のテーマゾーン設定と整備
従来、構内の通りや一部の地区は特定の樹木によってゾーニングされていた。しかし、これらの樹木の中には、老朽化や高木による日陰の影響により荒廃したものも見受けられる。新たなる植樹や高木の枝払いなどの整備を行うと共に、草花や低木の植栽により特徴ある地区を作り出す。
3.水辺環境の整備
水辺のある環境は、学芸の森をさらに豊かなものへ発展させる。構内には豊富な地下水脈も存在する。水の管理は容易いものではないが、叡智を集め水辺の環境整備を考える。
4.自然環境の教育的利用
構内の豊かな自然環境は教育的にも利用価値が高いものである。学内の人々や地域の住民が豊かな自然環境を理解できるよう、汎用性のある啓蒙的ガイドや教育プログラムを考える。
<以上>
【課題の発見】
1〜3までの大綱の項目は、プロジェクト開始以来、段階的に計画、実施されてきました。様々な樹木や草花が植栽され、それぞれのゾーンが誕生し、多彩な環境が誕生したのです。しかし、現状では、
どのゾーンも雑草が生い茂り、一部の花壇を除いては、手入れが行き届いていないのが現状です。原因は、作業のための予算でしょうか?
だとすれば、予算が突然、無くなれば、プロジェクトは終了ということになります。しかし、予算は突然なくなったわけではなく、徐々に減り今に至ったのです。
それよりもプロジェクトの当初から、参加していた学生や教員の活動自体が年とともに「引き継がれる」構造が無かったというのが本当でしょう。学生は卒業します。教員も自らの研究に関わるものでない限り、実績とその成果を継続的に継承することなどないのです。
伝統的なサークル活動などのように「継承され、深まり発展していく構造」をプロジェクト自体が持たず、世代を超えて、継承される仕組みを持ちえなかったことが原因なのです。このことは、環境機構会議自体についても言えることです。会議で何年間も推進されてきた様々なプロジェクトが継承されてこなかったようです。
そのこと自体が、この環境機構会議の構造的な課題でもあるようです。環境教育は、かろうじて「環境教育研究センター」という形でのみ継承されてきたようです。
その意味でも4の「自然環境の教育的利用」は、「環境教育」という特化された分野だけで、しかも「環境教育研究センター」という中だけで引き継がれてきたのです。
結果、学芸の森は、大学の職員組織活動という枠組みで以前からの施設課や総務部による植栽管理(樹木管理)業務という範囲の中で継続されてくることになったようです。樹木維持管理という範囲で整備維持されてきました。
地域住民参加という点では、「環境教育センターの利用」「公開講座としての環境教育プログラムへの学外からの参加活動」としてのみ、その実績と活動は細々と実施されてきたのです。
いうなれば、環境教育という題目は残り、学芸の森は、「多様な可能性を秘めた教育実践の場所」というアイデンティティ獲得への道ではなく、従来からの「環境教育のための一部機関での研究継続と大学の事務方が管理維持する大学構内の植栽管理活動への学生や教職員の部分的な参加」へと回帰したということになるでしょう
この課題の解決を目指すのが、「教育の森」構想です。
【「学芸の森」プロジェクトを“教育と地域連携”という視点で発展させる】
「学芸の森」を「教育の森=自然環境を理解するという環境教育という側面でなく、“教育のための素材としての森”と考えていきます。
さらには地域、風土の“知”の拠点として、地域とともに継承していく教育実践の場づくり」プロジェクトを提案していきます。
地域との連携の目的は、地域住民のもつ、風土時間(植栽の育成管理に欠かせない農業時間や風土として継承されてきた歴史時間)をプロジェクト自体に取り込み、森との共生を実現することです。
<教育の森構想図>
メインテーマは、【「学芸の森」を教育の実践学習のための森へ、さらには、地域、風土との共生を実現するために「小金井」という地域の「風土」教育の場へと育てる】としました。
【提案のフロー】
●企画の背景
1)大学の植栽の意味を考える
大学施設の植栽は、その植栽を計画、設計し、育成、管理運営してきた人々の思いと目的と小金井という地勢、植生が融合して生まれ、育まれてきた存在です。
だからこそ、意味があり、守り、育てていく価値を再認識していくという視点が重要なのです。
これからの「大学の森」を育成していく意味を再認識し、再構成していくことが、その学校ならではの環境・存在価値(学芸大学の場合は、“教育者の育成ための森”)を創り出していくことになっていきます。
2)「地域性」と「教育の殿堂」という2つのアカデミー・アイデンティティを内包した「学芸の森」(教育の森)アイデンティティを構築していく[/size]
●Academy Identityは「発掘」し、「発展」させるための「その教育機関の核となる価値」
アイデンティティ:その1)「地域と共生する」教育機関への方向性⇒A direction project>次の章へ
アイデンティティ:その2)「風土教育に携わる楽しさと素晴らしさを実践する」教育機関への方向性⇒B direction project>次の章へ
3)Academy Identity Projectの2つの方向性から、「学芸の森」を「教育の森」へと再編計画を立案する
【具体化へのプロジェクト試案】
●「地域との共生」「教育の魅力」の具体化プロジェクトを考える
〜小金井という「風土」を知ることから始まる「地域共生プロジェクト」〜
◆学芸の森◆から「発掘する」地域プロジェクトへの可能性
「植木の里」小金井との共生>学芸大学の植栽の現状と歴史と小金井全域の緑・庭園・公園と植栽の里・小金井の変遷を調べる>植木の里プロジェクト<第一期(2015〜2016年)を設計中>第一弾は、「学芸の森推進部門の正面桜並木プロジェクト」と連携した「小金井桜祭り」と連動した「2016桜守プロジェクト」を予定。小金井市、小金井住民との連携第一弾として、地域連携部分を担当する
◆生徒だけでなく、地域住民、職員、生徒の父兄保護者◆にとっての学芸の森づくりへ>サポーター(支援者)組織づくり<守り人の会設計⇒植木の里プロジェクトの推進母体へ>こちらをご覧ください。
●2015年「学芸の森・小金井・植栽の里」づくりプロジェクト
1)小金井市という既存の「市」という枠にとらわれない「小金井から発信する地域づくり会議=小金井・植栽の里」
◆小金井市・自治体向け提案書第一プロジェクト候補「企画政策課向け」は、こちらから。
◆第二プロジェクト広報は、小金井市・環境農政課への「緑サポーター養成機関」申請による教育機関として連携を摸索。詳細は、2016年度設計予定。
2)全国の模範となる「地域共生教育・風土教育」の実践へ
3)「人と風土との共生を考える人づくり、地域ネットワークづくり」プロジェクトへ>Webコミュニティづくりへ>若草研究室を地域NPOなどとのコミュニティスペースとして活用し、地域住民が恒常的に参加する「植栽講習拠点」とする活動へ
4)ネットワークの核となる学内の組織づくり>大学及び学生の組織づくりを考えるー>学内の倶楽部活動(園芸華道部、茶道部など)と連携した学内植栽整備活動やプレイパーク、子ども未来研究所や学生による福祉活動ボランティア組織などと連携した地域の子供、高齢者との連携を推進する
●第一弾:園芸華道部プロジェクトを設計する>こちらで具体案をご覧ください。
●第二弾:学芸の森・守り人の会(地域住民が主体となり、大学が支援する組織づくり)への学生、教員の「学校、生涯教育実践プログラム」として参加させる
<提案フロー以上>
【プロジェクト実施案】
●メインとなるプロジェクト●
トータルプロジェクト“学芸の森づくり=教育の森・小金井連”として、
第一弾「植栽の里・小金井」プロジェクト(地域住民、小金井市と農業・植木業者に提案)との連携を実現していきます。
環境創造地域連携推進部門では、順次、メインプロジェクトの具体化と展開案となる具体実施案をスケジュールとともに設計していきます。
投票数:15
平均点:6.00
部門活動:その1 地域連携プロジェクト「教育の森」プロジェクト立案への現状把握 |
2015年度活動計画 |
部門活動:その3 具体活動実施案・2015年度第四四半期 |